【毎日書評】業績の悪い会社は会議が長くて多い…その理由は明確だった!
会議は見なおしたほうがいい
企業の業績と会議に関係に関するアンケート調査によると、会議1回あたりの平均所要時間は68.2分だそう。ところが、業績が下降している会社の場合は79.5分。また1日参加回数も、平均が1日1.4回なのに対して1日2.0回と、こちらも平均より高い数値となっているのだそうです。 そして、この調査で一番注目すべきは、「会議への参加態度」です。「積極的」「どちらかといえば積極的」という回答が、業績上昇企業は71.1%に対し、業績下降企業は45.1%という結果です。会議への意欲の差が顕著に表れています。 業績が悪いのを打破するために会議回数が多く、時間が長くなっているのであれば、もしかしたら「会議」の回数や中身を見直すことが先決かもしれません。(82ページより) また、「あの会議で話し合ったよね」という既成事実をつくることが会議の目的であったとしたら、それは「責任の所在を分散し、安心感を得たいことから生まれる無駄な会議」かもしれないと著者は指摘しています。(81ページより)
その会議、本当に必要?
いうまでもなく、無駄な会議が多くなるのは、「やらなくてもいい会議」をやっているから。そもそも会議とは、会社のなんらかの課題を解決する手段として行われるべきものです。にもかかわらず、いつの間にか会議そのものが目的になっているケースが少なくないわけです。 にもかかわらず、「とりあえず会議をやっておこう」というのであれば、それは最悪のケースであるといわざるを得ないでしょう。会議をやらずに問題を解決できるのであれば、それに越したことはないからです。 そういう意味で、会議を行う場合にはまず最初に「目的」を明確にしておくことが不可欠。「〇〇を決めること」「意見をたくさん出してもらうこと」など、“なにをするか”が明確になっていれば、参加者も参加することの意義を感じることができるはず。 そして、会議の成功は「主催者側の準備」でほぼ決まるものでもあると著者は述べています。ちなみに準備のポイントは、主催者が次の3つを整理して参加者へ事前案内しておくことだそう。 「報告事項(共有しておく内容)」 「検討事項(みんなで議論する内容)」 「審議事項(会議で決める内容)」 (83~84ページより) 残念な会議は多くの場合、これらの事項が混在してしいるものではないでしょうか。そのため会議が必要以上に長くなってしまったり、議論が迷走したりすることになるというわけです。 仮に、整理した結果、報告事項だけだった場合(いわゆる「読めば分かる会議」)、わざわざ会議でなくてもメールで良いかもしれません。これで無駄な会議は減らせます。 また、会議の目的が、「意見をたくさん出してもらうこと」であれば、検討事項だけで、審議事項はないことになります。やることがはっきりしているので会議の無駄は省けます。(84ページより) 事実、著者もこの方法を活用することで、当日の会議をスムーズに進行させることができたそうです。会議はとかく無駄なものになりがちなので、今までのやり方に疑問を抱き、見なおしを検討してみるべきかもしれません。(83ページより) 社員のやる気に悩む経営者、管理職、人事労務担当者に向けて、社員のやる気を確実に向上させる方法をわかりやすく解説した一冊。会社をよりよくするために、参考にしてみる価値はありそうです。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: ぱる出版
印南敦史