【解説】防衛省…なぜ不祥事相次ぐ? 大量218人処分
■不祥事、ナゼ相次いだ?
森キャスター 「特定秘密だったり不正受給だったりと処分の内容が多岐にわたっています。そもそも、なぜこのような不祥事が起きるのですか?」 政治部防衛省担当 細川恵里記者 「今回明らかになった問題の多くは、海上自衛隊で起きています。特定秘密の問題については、何が漏えいに当たるのか正しい認識がなく、教育も行われていなかったという、組織的な問題があったと説明しています」 「また、潜水手当の不正受給については、『組織ぐるみとまでは言えない』としながらも、人事異動などで人員がかわっても不正の方法などが踏襲されていました」 「事実上の更迭となった酒井海幕長は『隊員の順法精神の欠如や、組織としてのガバナンスの欠落がある』と話していましたが、組織風土に問題があったとみられ、自衛隊全体として改善していくべきとの声があがっています」
■特定秘密“漏えい” 他国との防衛協力に影響は?
森キャスター 「気になるのは特定秘密の漏えい問題です。他国との防衛協力に影響が出るのが心配なんですが、どうでしょうか?」 政治部防衛省担当 細川恵里記者 「特定秘密については、外部への漏えいは確認されていません。ただ、ずさんな体制が発覚したことで、アメリカとの関係を心配する声も聞かれます。そもそも2014年に施行された『特定秘密保護法』は、アメリカなどから情報の保全体制の脆弱(ぜいじゃく)性を指摘され、機微な情報も日本に共有してもらうために整備したという背景があります」 「ある自衛隊幹部は『北朝鮮や中国などについての情報は、アメリカに依存しているところが大きく、情報が提供されなくなれば、北朝鮮からのミサイル防衛にも影響が出るのでは』と懸念を示していました。一方で防衛省幹部は『現時点ではアメリカからの懸念は耳にしていない』と話していました」
■川崎重工との“裏金問題”は?
森キャスター 「海上自衛隊の不祥事ですが、川崎重工との潜水艦の修理契約を巡っての裏金問題が、まだ残っていると考えていいんですよね?」 政治部防衛省担当 細川恵里記者 「そうなんです。防衛省で、一般事故調査委員会とともに、特別防衛監察が行われています、ある幹部は『全容がまだみえない』と話していて、今後どのような事実が発覚するかが焦点です」 「木原大臣は12日、自らのリーダーシップで『防衛省・自衛隊を早急に立て直す』と述べましたが、これらの問題が大臣の進退問題にまで発展する可能性があるのか、まだまだ注視していく必要があります」