フリー走行での地道な努力~牧野任祐がSF初優勝を手繰り寄せた瞬間~
2ヶ月ぶりの開催となった2024全日本スーパーフォーミュラ選手権。シーズン第2戦の舞台は九州・大分県にあるオートポリスだ。ここ数年は戦略勝負になることが多く、さまざまなドラマが生まれるラウンドとして知られるが、今年も多くのファンの心に刻まれる1戦となった。
まずは予選で魅せたのは、今季初めてスーパーフォーミュラに参戦する岩佐歩夢(TEAM MUGEN)だ。予選Q1から接戦のタイムアタック合戦が続く中、Q2ではライバルを0.3秒以上引き離す1分26秒632をマークし、初のポールポジションに輝いた。
2025年にはF1に乗ると宣言して、スーパーフォーミュラに挑戦している岩佐。しっかりと準備をして臨んだはずの開幕戦は、予選11位、決勝9位と不本意な結果に終わってしまった。4月のF1日本グランプリではフリープラクティス1出走を果たして大きな注目を集めたものの、本人の中は「SF開幕戦での敗戦」がとにかく悔しかった様子。時間があれば15号車担当の小池智彦エンジニアとミーティングし、開幕戦で良くなかった部分の振り返りと第2戦オートポリスに向けた準備を行ってきた。それが功を奏し、Q2で見事なトップタイム。2番手から7番手まで、わずか0.150秒以内にひしめく接戦のなか、岩佐だけが群を抜いて速かったということで『今週は岩佐が強いのではないか?』という雰囲気が漂い始める。
一夜明けた19日(日)の決勝日。朝のフリー走行2回目では主にロングランのセッティング確認を各車が行っていたが、ここでも速さをみせたのが岩佐。セッショントップタイムであることはもちろん、ロングランのペースも1分31秒台で安定していた。
岩佐への注目が大きくなっていく一方だったが、その影で逆転に向けてコツコツと準備を進めていたのが、2番グリッドの牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だ。彼はフリー走行2回目の間、ホームストレートを通過するたびに、通常の走行ラインとは違うピットウォール側のラインを通っていた。
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