職員食堂改装で登場「大阪府庁ライス」は話題になるか
府民も気軽に利用できる
職員食堂改装で登場「大阪府庁ライス」は話題になるか 撮影:岡村雅之 THEPAGE大阪
大阪府庁大手前庁舎(大阪市中央区)の本館職員食堂がこのほど、装いを新たにリニューアルオープン。大正期の天井装飾を移設した内装レリーフや、ボリューム満点の新メニュー「大阪府庁ライス」などが話題を呼びそうだ。府民も気軽に利用できるので、近代建築の粋を誇る本館見学を兼ねて出かけてみてはいかがだろうか。 【拡大写真付き】<街ぶら>ロケ地の常連 90年の歴史感じる大阪府庁本館へ
装い新たに「安い、美味い、オシャレ」
「いらっしゃいませーっ!」「親子丼入りま~す!」 威勢のいい掛け声が、心地よく響く。これまでのお役所系食堂ではあまり見かけなかった光景だ。「もっとも重視するのはホスピタリティ。お客様に喜んでいただくおもてなしの精神を大切にしています」 食堂を運営するUG・宇都宮筆頭専務取締役の三崎哲郎さんが、柔らかい口調ながらキッパリ断言する。多くの人気飲食店を手掛けてきた経験と熱さが息づく。 府庁本館の職員食堂は長らく本館西側の1階で営業してきたが、耐震改修工事に伴い西側部分が撤去されるため、先月末で営業を終了。代わって本館地下1階に場所を移して新装オープンした。 職員アンケートなどを参考に考案された基本方針は「安い、美味い、オシャレ」。注文を受けてからの調理で顧客を待たせないようメニューをやや絞り込む一方、日替わり定食やヘルシー定食の食材バリエーションを増やし、毎日通っても飽きの来ないもてなしを心掛けたという。府が推奨する地元生まれの食材「大阪産(もん)」も、四季を通じて提供する方針だ。
大正期の天井装飾を壁のレリーフに再利用
白が基調の内装は、大正期の名建築とされる本館のイメージを継承。洗練されたモダニズムが漂い、地下空間の圧迫感を感じさせない。 注目は奥の壁のレリーフ。元々本館2階の天井装飾として利用され、耐震改修工事で撤去される予定だったが、食堂へ移設してレリーフとして再利用されることになった。 天井から壁へ、廃棄から再生へ。いわばいのちを長らえた「奇跡のレリーフ」だ。大きな作品は直径110センチ。優美な文様がしっかり作り込まれている。見上げていた天井装飾を、間近に鑑賞しながら食事ができる。近代建築ファンには何よりの「ごちそう」だろう。