30周年! 累計出荷本数17億本超! チョコ界の〝黒い稲妻〟「ブラックサンダー」の転機
わずか1年ほどで販売終了!?
「ブラックサンダー」発売30周年! だそうである。 そう聞き、すごいな、おめでたいなとシンプルに感じたあとで、「え、30年も前からあったっけ!?」という気もしてきた。 【貴重写真】子供には読めなかった…!? 商品名が英語表記の初代「ブラックサンダー」 「ブラックサンダー」。たいていのコンビニやスーパー、駄菓子屋で、時にはレジ横といった強いポジションを抑えている人気チョコレート菓子であることは、誰もが認めるところだろう。 価格は40円(’24年現在)。安価でココアクッキーとプレーンビスケットによる「ザクザク感」ある食べごたえもあって美味しい。累計出荷本数17億本を超える人気者のブラックサンダーだが、実はわずか1年ほどで販売終了、市場から一時期姿を消した商品だったのである。30周年の実感があまりわかなかったのはそういう事情もあるのかもしれない。 今の人気ぶりから想像もつかないが、ブラックサンダー販売終了の理由は、「売れ行きが伸びなかったから」。そんな商品が復活販売、不動の人気を獲得していくストーリーとはーー。 ◆ご先祖的存在のお菓子と“10円”の高い壁 「ブラックサンダー」――黒い稲妻。自然界にはありえないのにどこかカッコいい、なんとも子供心(とくに男子か?)に刺さるカッコよさのあるネーミングだ。初期パッケージにも“黒い雷神”の文字が踊る。 「発売前に、別の名前のほうがいいのではという意見も社内であったようです。しかし、あるとき、現在の会長と当時の開発担当者が2人で部屋にこもり、出てきたときには『決まった!』と言ったとかいう嘘か本当かわからない話があります(笑)」 と言うのは、製造・販売元である有楽製菓(本社・東京 都小平市)マーケティング部の北島あやさん。 このブラックサンダー、実は“ご先祖的存在”のお菓子が存在するのをご存知だろうか。 「チョコナッツスリー」。1986年発売、パフとピーナツをチョコで固めた軽い食感が大きな特徴のチョコレート菓子。ブラックサンダーは、当時売り上げ好調だったこのチョコナッツスリーの「対局の存在」、ずっしりとした食べごたえのあるお菓子として1994年に登場した。 しかし、ブラックサンダーの売れ行きは伸び悩み、結果的に約1年で販売休止に追い込まれてしまう。北島さんは、2つの理由をあげる。