「GIGAスクール第2期もiPadで」を早々に決定、三重県いなべ市の“成功体験”
■iPadは故障が少なく、すぐ起動する点を評価 このようにiPadを効果的に活用しているいなべ市ですが、GIGAスクール構想の第2期でも引き続きiPadを採用することを決めています。その理由として「故障が少ない」「起動に待たされない」「長く使える設計」「豊富な無料アプリ」などを挙げました。
いなべ市では4,000台ほどのiPadを導入していますが、使えなくなったのは全体の1%に満たない34台にとどまるといます。「ほとんどが落下による画面破損で、それ以外のハードウエアの故障はほぼなかった」と振り返ります。GIGAスクール第2期で、文部科学省は破損などに備えて予備機を全体の15%以内の台数で用意するよう定めていますが、その数字を大幅に下回る故障率だったわけです。
起動の速さに関しては「使いたいのに起動が遅くて授業が進められない、ではICT端末としては失格。そうなると先生も使うのをためらってしまう。iPadは年数が経ってもレスポンスが遅くなることがない」と、長く使っても快適さが変わらない点も評価しました。 GIGAスクール構想の第2期は、国から1台あたり55,000円の補助金が出ます。「この枠の予算で収まる機器で済まそう、という自治体もあるだろう。だが、いなべ市は未来を担う子どもの学習環境の整備を優先する方針であり、補助金を有効活用しつつベストなものを選択することにした」と伊藤さんは解説。市の持ち出しの発生をいとわず、第10世代iPadと周辺アクセサリーの導入を決めました。「第10世代iPadは、何よりストレージ容量が増えたのが非常にありがたい。子どもたちは写真や動画をいっぱい撮るので、残り容量を気にせずに済む」と期待を寄せます。
いなべ市では、導入したタイミングが早い機材から順次第10世代iPadに置き換えていくそう。児童生徒はもとより、先生たちも不可欠な存在だという認識が広まっているiPadが新しくなることで、深い学びに対する意欲がさらに増すのは間違いなさそうです。
磯修