フランスの「半大統領制」とは? マクロンにとって正念場の国民議会選
「憲法の実験場」としてのフランス
フランスは「憲法の実験場」と言われますが、それは多くの「憲法体制」を経験し、また多くの「憲法改正」がなされているからだけではなく、実際の政治状況に応じて「憲法運用」も変質しているからです。 6月の国民議会選挙によって、(1)マクロン大統領がリーダーである単独政権、(2)他の会派との連立内閣を形成しつつもマクロン大統領がリーダーシップをとる政権、(3)マクロン大統領の下に国民議会第一党の首相がリーダーシップをとる連立内閣が置かれる政権、(4)首相が真のリーダーであるコアビタシオン政権のいずれかが誕生します。あるいは、想定外の政権が誕生するかもしれません。これからフランスはどのような「憲法の実験」を行うのでしょうか。
---------------------------------- ■奥村公輔(おくむらこうすけ) 駒澤大学法学部准教授。1980年9月11日生まれ。2009年京都大学大学院法学研究科博士後期課程修了後、同大学院法学研究科助教、駒澤大学法学部専任講師を経て、2014年より現職。博士(法学)。専門は憲法、議会法。著書に『立法手続と権力分立』(信山社)など