80代の親には愛猫がいます。「ペットも一緒に埋葬できるところがあるらしいから樹木葬にしたい」と言うのですが、樹木葬にデメリットはないのでしょうか?
「ペットと一緒のお墓に入りたい」親からのこんな言葉にあなたはどう答えますか? ひとり暮らしの親がいるだけでも心配なのに,ペットが同居していれば、さらに心配という方も多いでしょう。 ただ、飼い主とペットがいくら仲がよくても一緒に亡くなることはありません。亡くなる前に体が弱ったとき、病院への入院をするときにはどうするのか含め、高齢者がペットを飼う場合に考えておくべきことをお話しします。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
樹木葬を選ぶことは大きな選択肢になりつつある
今はやりの樹木葬。先祖代々のお墓があったとしても、継承してくれる人がいない、もしくは子どもに面倒をかけたくないという理由で、樹木葬を選ぶという話を聞くようになった方も多いでしょう。 墓石の代わりに樹木を植え、かかる費用は比較的安価なこと、そして一定期間経過後には合祀(ごうし)場所に移してもらえることなど、樹木葬にはさまざまな利点が挙げられるわけです。 先祖代々の墓がすでになく、これからお墓を準備するということであれば樹木葬を選ぶことは合理的だといえます。しかし、これから樹木葬を選ぶことを考えたときに「ペットと一緒に樹木葬」といっても実情が同じというわけではありません。 人間とペットを一緒に埋葬してもらえるのか、それとも同じ敷地内ではあるものの人間とペットの埋葬されるエリアが別々になっているのか、など細かい違いがあるのです。 また、猫の場合は犬ほどに大きさの幅は少ないでしょうが、それでも樹木葬の区画の広さは値段に反映されることが多いものです。親がペットと一緒の埋葬を希望しているのであれば、埋葬される部分がどれくらいの広さなのか、もし墓じまいをして樹木葬にお骨を移動してくる場合には広さや手続き方法も、管理者にしっかりと確認しておく必要があるでしょう。
体が弱ったときにどうするかも考えておきたい
今回の相談者は「ペットと一緒に樹木葬に埋葬してほしい」というご希望を言っているだけの状態ですが、もうひとつ、必ず考えておくべきことがあります。 それは、「親の体が弱ったときにはどうするか」です。ペットが先に亡くなってしまって、そのまま親が認知症になってしまうこともあるでしょう。そうなってしまうと、ペットの火葬および骨つぼの保管など、子どもが請け負わなければなりません。 樹木葬をしたいという希望に加えて、「体が衰えたときにどうしたいのか」を親に聞いておきましょう。病院への入院や高齢者施設への施設入所には、ペットは連れていくことはできません。ペットホテルなど、お金で解決するのか、預けられる知人がいるかの確認はしておきたいものです。 もし親が入院などしている間にペットが亡くなってしまえば、ペットの火葬や埋葬まですべてを子どもがしなければなりませんから。