「よそのマンション事情」を知りたい! 管理費の見直しに修繕計画の進め方、住民たちが本音で語る交流会をのぞいてみた
マンションに長年暮らしていると、新築で入居した時にはなかったさまざまな問題が起きてくる。「管理会社から修繕積立金や管理費の値上げを提案された」「管理組合の役員に選ばれたが何をすればいいのか」「修繕計画はどのように進めればいいのか」―。築年数が古くなればなるほど思いもよらない問題が生じる。そんな困りごとを、住民たちが本音で語り合う「マンション居住者交流会 よそのマンションどーしょん!?」を毎月、岡山市が開いている。気になる「よそのマンション事情」を探るため、会をのぞいてみた。 【漫画】マンションで「いわれのない苦情」
セカンドオピニオン
7月28日、旭公民館(岡山市北区広瀬町)で開かれた交流会。参加した10人は「管理会社から50%の値上げを提案され、会社自体を変更した」「管理人の勤務時間を減らしてコストを抑えている」など、自分たちが住むマンションの現状を包み隠さず語っていた。 この日のテーマは「管理会社との関係はどーすりゃえー?」。区分所有者(住民)で組織する管理組合は、共用部と呼ばれる廊下の清掃やエレベーターの管理などを行い快適な住環境を整えるのが主な役割だが、素人では手が回らないことが多い。そこで、管理会社に業務を委託するのが一般的になっている。自分のマンション以外のことは知らない参加者が多く、契約書などに目を通しながら順に発表した。 やはり気になるのはお金の話だ。管理組合は、管理費の徴収、決算や予算案の作成などを委託する事務管理業務費、管理人業務費、建物の維持・管理費などの名目で管理会社にかなりの額を支払っている。今回集まった人たちのマンションの事務管理業務費は戸数などの条件が違うとはいえ、月額4万円台から30万円台と幅があることが分かった。参加者は「管理会社のもうけの部分なので、会社によってかなり違う」「理事会で契約変更を検討したり、会社自体を変える場合は3社以上にプレゼンしてもらったりしたほうが良い」などと自身の経験を伝えていた。 さらに管理会社のスタッフとの関係にも話が及んだ。同じ会社でも「きちんと対応してくれる」「トラブルについて真摯(し)に聞いてもらえていない気がする」と対応に温度差があることを訴える参加者もいた。 毎回参加する男性(73)=北区=は「私たちは専門家ではないので、勉強しないと損をすることがある。こういった場で情報共有することはとても大切だと思う」と話し、2回目の参加という女性(60)=中区=は「大切な資産を守る上でも、管理会社に頼りすぎず、主体的に行動しないといけないと感じた」と語った。 交流会は岡山市主催のマンションセミナー受講者から、住民同士でリアルな話ができる場をつくってほしいという要望で23年4月、本格的にスタート。エレベーターなどの設備の更新、災害時の対応、長期修繕計画など、毎月テーマを決めて意見交換している。同市住宅課の担当者は「マンション生活の“セカンドオピニオン”を聞く場になっている。良い事例を自分たちのマンションで取り入れてほしい」と話す。