迫力の狸平トンネル工事 親子見学会(長野県松本市安曇)
長野県が松本市安曇の国道158号で進める「狸平トンネル」新設工事の現場で2日、小中学生と保護者を対象にした親子見学会があった。普段は見ることのできない工事中のトンネルに入り、子供も大人も目を輝かせていた。 三本松トンネルから稲核ダム近くまでの狭く急カーブが続く区間を回避するバイパスとして工事が進められている。トンネルは全長1060メートルで、2年がかりの掘削で8月に貫通した。 参加者はトンネル内を歩いて説明を受け、これから壁面に張る防水シートに名前や絵、「便利、安全ありがとう」などの言葉を記した。積み木を使ってトンネル内部のアーチ構造の強さも体感した。安曇野市堀金三田の小学校2年生の児童は「面白かった」と満足そうな笑顔を見せた。 土木の魅力を伝える機会として県が開き、安曇野市の黒沢川調整池整備や富田橋の架け替えの現場も巡った。県建設政策課技術管理室副主任専門指導員の大田幸太郎さん(49)は「地域のために行われている仕事の実際の様子を知ってもらえたら」と話した。狸平トンネル工事事務所所長の内藤圭一郎さん(56)は、苦労して貫通にこぎつけたトンネル内を子供が歩く姿に「うれしい」と目を細めた。「こういう仕事に少しでも興味を持ってくれたら」と願っていた。
市民タイムス