昭和最後の「スカイライン」の限定500台「GTリミテッドS」は超希少車! 現存する貴重な1台は数奇な運命でオーナーのもとにやってきました
若い頃に苦労して乗れなかったが、55歳を過ぎてから実現
もともとは、同じR31型でもオーテックやトミーカイラが欲しかったという深町さん。しかし、探していた当時、すでに価格は高騰。値段の問題もありGTS-Rを狙ってみたが、ほんのわずかなタイミングの違いで、このGTリミテッドSを購入することができたと笑顔を見せる。 「このR31型が新車で発売されていた頃の私は、お金に苦労する生活をしていました。とてもじゃないけど、好きなクルマなんて乗れる身分じゃなかったのです。それから踏ん張って、55歳頃からやっと趣味グルマを持てる余裕が出てきました。 最初はいすゞ 117クーペ、次にホンダ NSX。117クーペを売却してトヨタ セリカLBに乗り換えましたが、それも売却してこのR31型を手に入れたのです」 購入当初はノーマルだったが、純正サスペンションがオイル漏れなどで要交換だったため、その機会にBLITZへと変更。ホイールは当時オプション設定されていた商品を某オークションで見つけて購入。こうして足まわりとマフラーは変更しているが、ほかは基本的に純正をそのまま残している。 「R31ハウスの柴田社長からも、現存個体がとても少ないから大切にしてくださいね! と言われました。日本で一番R31型に携わっている方にそこまで言っていただいたので、ずっと大切に乗りたいと思います」 万が一、深町さんが手放なさければいけない日が来るとしたら、その時はぜひ私に! と、筆者の心の叫びが漏れそうになる取材だった。
酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)