客引き対策にAIカメラ効果、兵庫県の実証実験で14%減少…検知すれば音声で注意
兵庫県は、5~6月に条例に基づき客引き行為禁止地区に指定している神戸市中央区の三宮北部地域2か所で実施したAI(人工知能)防犯カメラを使った実証実験の結果を公表した。複数人が一定時間滞留したことを検知すると音声で注意喚起する仕組みで、音声を流さない場合と比べて検知数が平均14%減少。今月からは西宮市内の禁止地区2か所も加えた計4か所で、第2弾の実証実験を始めており、本格運用に向けて検証を重ねていく。
県は2015年に繁華街での客引き行為を全面的に禁止する条例を制定。同年10月に三宮北部地域、今年5月には西宮市の阪急西宮北口駅北西地域とJR甲子園口駅南側地域を禁止地区に指定した。
5~6月の実証実験では、三宮のサンキタ通りと生田新道の2か所にAI防犯カメラを設置。2か所合計の1日あたりの平均検知回数は、注意喚起の「放送なし」が788回だったのに対し、「アナウンサー音声」を流した場合で680回と減少するなど、一定の効果が見られたという。
今月13日からは、三宮と西宮の計4か所でカメラを9台設置。来年1月31日まで実施する。担当者は「注意喚起の放送内容を回数に応じて変化させるなど、改善策の効果を検証し、今後の運用方法を検討していきたい」としている。