髙木三四郎が「無期限休養ロード」を終えて語る 上野勇希や青木真也、「DDTを作っていく」レスラーたちへの期待
――飯野選手は9月8日、MAO選手を破り、DDT UNIVERSAL王座を初戴冠しました。 髙木:飯野は「フェロモンズ」というユニットで活躍する前からキャラクターがすごく濃くて、でき上がっていた人間なんですよ。とにかく24時間練習しているような人間です。メディア志向も強くて、『ノーサイド・ゲーム』(2019年にTBSで放送されたドラマ。飯野雄貴役)に出演したり、11月には舞台にも出ます。体も大きくて、世間一般の方が持つプロレスラー像に近いので、彼がUNIVERSALのチャンピオンになったことで、またひとつ新しいものが生まれる気がします。 ――MAO選手もすばらしいチャンピオンでしたね。 髙木:MAOはDDTを愛する気持ちが人一倍あるし、自分がやっていることにすごく自信を持っている。彼がチャンピオンだった時代は、DDTのプロレスが海外まで届いたと思うので、上野とかMAOとか飯野が今後のDDTを作っていくんじゃないかと思います。 ■前代未聞の「実家プロレス」 ――6月21日、佐藤光留選手の岡山県のご実家で試合をされました。その名も「実家プロレス」。 髙木:ああいうシチュエーションを用意してくることが、「佐藤光留ってDDTの遺伝子を持った人だなあ」という感じですよね。自身の個性もありながら、パンクラスの遺伝子や鈴木みのるさんの遺伝子も持っている。普通なら実家は晒したくないでしょうし、「DDTをくぐり抜けてきた人だなあ」と感じました。 ――「ホームでやる」という発想から、「本当のホーム」ということで実家だったんですよね。お客さんは、スポンサー枠の2人を含む合計7人だけでした。 髙木:なかなか狂ってますよね(笑)。僕は佐藤家の間取りをほぼ把握したつもりでいますけど、何度もできるわけじゃない会場を用意してくれたのは、すごく嬉しい。人の家で闘うという貴重な体験ができました。 ――以前、一般宅で闘ったことはありますよね? 髙木:実家ってまた別なんですよ。乱闘しながらも、家に入る時は「お邪魔します」って言いますし。育ちが出ますよね。僕もそんなに育ちが悪いほうではないので、着替え部屋みたいなところに入った時に、ちゃんと菓子折りを渡しましたから。やっぱり実家は特別で、その人のパーソナルが浮き彫りになります。