髙木三四郎が「無期限休養ロード」を終えて語る 上野勇希や青木真也、「DDTを作っていく」レスラーたちへの期待
――"DDTらしさ"とは、どういうところにあるのでしょうか? 髙木:旗揚げ当初はもっとガチガチのハードヒットな感じの団体でしたね。でも僕は、「プロレスの可能性は無限であり、すべてを包括するものがプロレスである」と思っています。プロレスは世界中にあって、メキシコにはルチャリブレ、アメリカにはアメリカンプロレス、日本にはジャパニーズスタイルやデスマッチもある。プロレスに多様性が求められるなかで、それに応えている国は日本だけなんじゃないかなと思うんです。 個人的に、DDTはプロレスの可能性を追求している団体だと思っているので、上野とのタイトルマッチのような試合も引き出しのひとつにある。ルールがある以上、そのなかでやらなくちゃいけないから、レフェリーは「プロレスの威厳」とか言うでしょう。でも、反則は5カウントまで許されるし、場外カウントは20まで。ルールのなかだったら何をやっても許されるのがプロレスであり、そこに曖昧なところが重なることで魅力のあるコンテンツになると思うんですよね。 ――8月25日、後楽園ホール大会で青木真也選手にベルトを奪われましたが、上野選手は本当にいいチャンピオンだったと思います。 髙木:あいつは今、プロレスをやっていてすごく楽しいでしょうね。それを見たお客さんも楽しんでくれるのが一番じゃないでしょうか。プロとしては、お金を払ってくれたお客さんを満足させなければいけなくて、その手法はなんでもいいですけど、やっぱりプロレスラーは普通の人にはできないことをやらなきゃいけない。普通はドラマティックドリーム号に撥ねられたり、プラケースでガンガン叩かれたりしたらケガします。だけど、あえてそれを受けてすごみを見せるのがすごく大事なことだと思います。 ――新チャンピオンの青木選手についてはどう評価していますか? 髙木:青木さんって、今のDDTの"強さ"を量る上でのひとつの指標になっていると思うんです。強さという部分で申し分ない方が、DDTのチャンピオンになった。そういう人が遠藤(哲哉)に対してもそうだし、「俺たちは強い」と言ってくれたことで、DDTの強さが証明された印象はあります。「DDTってお笑いの団体でしょ?」とか言われますけど、そうじゃないということが立証されたと思いますし、青木さんにはDDTの強さという一面を見せていってほしいと思います。あと今、飯野(雄貴)がすごく伸びてきていますね。