髙木三四郎が「無期限休養ロード」を終えて語る 上野勇希や青木真也、「DDTを作っていく」レスラーたちへの期待
――「大社長」という愛称でやってきましたが、副社長になることに抵抗はなかったですか? 髙木:僕はどちらかというとクリエイターであり、プロデューサーだと思っているんですよ。もちろん経営もできたのでやってましたけど。 ――「大社長」と呼べなくなって、戸惑うファンもいるかと思います。 髙木:僕の信条は「アイディアを出し続ける」なので、肩書はなんでもいいんですよ。今でも「大社長」と言ってくれる人もいますけど、「副社長」とか「大副社長」と呼ぶ人もいるんでエゴサーチはやりづらくなりました。今は「大副社長」「大社長」「髙木社長」「髙木副社長」で検索してます(笑)。 ――「降格になった」という感覚はありませんか? 髙木:まったくないし、むしろ感謝しています。だって、年商7500億円のサイバーエージェントという大企業の副社長が、プロレス団体の社長になるんですよ? 本当にすごいことだなと思います。あと、サイバーエージェントは優秀な方が多い。岡本さんとサイバーファイトの方向性や経営の話をしていても、新たに気づくことや学びがたくさんあります。 ■上野勇希が持っていたKO-D無差別級王座への挑戦 ――無期限休養ロードについて伺います。まずは6月5日、新宿FACE大会で上野勇希選手が持っていたKO-D無差別級王座のベルトに挑戦しました。場外乱闘あり、凶器あり、ドラマティックドリーム号(自転車)での攻撃ありと、いい意味でハチャメチャな試合で、松井幸則レフェリーが「タイトルマッチの威厳は!?」と叫んでいたのが印象的でした。 髙木:個人的には「上野としかできない、タイトルマッチらしいことをやろう」と思っていたんですけど、上野はDDTのイメージと照らし合わせて、ああいうものを求めていたんだろうなと試合中にすごく感じました。そこに乗っかった感じですね。ああいうハチャメチャな展開は僕の"土俵"でもありますし。 今の若い人たちも、DDTをそのように捉えているはず。正直、あれを見て「タイトルマッチの威厳は?」と言っているファンはいません。けっこうエゴサーチしましたけど、そんな声は皆無でした。お客さんのニーズもそのように変わってきているのかなと思います。