球界大御所のセ順位予想は「阪神と中日旋風への期待」
いよいよ明日29日、プロ野球がセ、パ同時に開幕する。各評論家の順位予想が盛んだが、巨人OBで元西武、ヤクルト監督だった広岡達朗氏は、「予想順位をつければ、巨人、広島が上位にくるのだろうが、私は阪神、中日の2球団の優勝争いに期待している。あえて1、2位の順位予想にこの両球団の名前を挙げたい」とセ・リーグの優勝候補に新監督が率いる意外な2球団の名前をリストアップした。 「この2球団が浮上してこなければ球界が面白くならない。阪神は第2カードでは巨人戦。伝統の巨人―阪神を色褪せさせてはならない。阪神はピッチャーが揃っている。西については言うことはないし、メッセンジャー、ガルシアと先発に3枚が揃い、ブルペンも巨人なんかに比べていい。問題は打線と藤浪だけだろう。藤浪を2軍に置くことには反対だ。彼はエースの素材。投げてみないとわからない藤浪は1軍で投げても2軍で投げても一緒のピッチャーだ。ならば、上でベンチがうまく彼を使いながら自信をつけさせていくべきだろう」 広岡氏が阪神を評価するのは、やはり安定した投手力だ。 メッセンジャー、西、ガルシアに続く4番目、5番目が不安とされていたが、岩貞が結果を残し、膝のクリーニング手術を受けていた秋山も順調。巨人キラーとして青柳も最初のローテーに入る予定など、充実した顔ぶれが揃った。抑えにはドリスが指名された。藤川、桑原にベテラン左腕の能見がセットアッパーで待機、新外国人のジョンソン、2年目の馬場がそこに加わるなどブルペン陣も厚い。 それでも広岡氏は開幕1軍に入ることができなかった藤浪の育成方法には問題提起した。長いペナントレースを考えると必要な先発の戦力だと考えているからだ。 課題は打線だろう。オープン戦のチーム得点55とチーム打率.227はいずれも11位。新外国人のマルテは開幕に間に合わず、中谷、高山、江越らもキャンプ、オープン戦で目立たなかった。結局、新戦力としてアピールしたのはドラフト3位の木浪と、1位の近本の2人。矢野監督は、1番木浪、2番近本のフレッシュな1、2番の起用と、4番大山を決めたが、彼らがシーズンを通じて、どこまでやれるかは未知数だ。また二塁は、糸原と上本のツープラトン起用になる予定だが、上本がスタメンで出ない場合は8人中、右打者は大山と梅野しかいないという左ばかりの偏った打線の編成にも問題が残る。