「栗」品薄で3割高 スイーツ需要に収穫遅れも
秋の味覚の栗の相場が堅調だ。4日の栗の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は平年(過去5年平均)比30%高。9月下旬から同3割高水準で推移し、10月に入って価格を上げている。スイーツ用などで季節商材として引き合いが強い中、例年9月下旬から出てくる中生種の遅れで品薄感が強まっている。 4日の栗の日農平均価格は平年比30%高の1キロ963円だった。9月下旬の取引量は同6割減で、極端な品薄は10月も続いている。JA全農いばらきによると中生種の出荷が他の農作業との兼ね合いなどで10日ほど遅れていたが、「3L、2L中心で、ここ数日で数量はまとまってきた」と話す。不足感が強まる中で、東京の青果卸は「夏場の暑さによる傷みなど高温障害の影響もある」とみる。 関東のスーパーの担当者はロスが出やすい品目で荷動きを良くするため、「単価は据え置きで量目を減らすしかない状態」と話す。 9月末から気温が下がり、季節感のあるスイーツ需要や正月向けの加工などで需要が高まっている。関東の青果卸は「増量しても相場の大きな下げはない」と見通す。
日本農業新聞