“グルメ通”の地元記者だけが知る!本当は教えたくない名店【中国編】
あえて違う地名の看板を置く居酒屋/岡山
岡山で地元記者がおすすめする店は、岡山市北区の天満屋デパートの斜め向かいにある飲食店「ノラネコ食堂」。 2022年12月にオープンしたこの店は一品料理のほか定食やお酒なども提供している。 人気メニューの1つが鳥ガラベースのスープで細めんの食感が楽しめるやさしい味わいの中華そば(900円)。チャーシューやかまぼこなど定番の具材とともに入っているのは、岡山県倉敷市真備町特産のタケノコだ。 店主の岩田圭司さんは2018年の西日本豪雨の際、被災地の真備町でがれきの搬出や炊き出しなどのボランティア活動に入り、支援活動を続ける中でボランティアの食事場所や、地元の主婦たちの雇用の場が少ないことを知った。被災者からも「いつまでも無料で配るのではなく、料理のお金を取ってほしい」といわれたことから、2019年の夏、真備町に「ノラネコ食堂」をオープン。 昼は飲食店、夜は居酒屋としてまちの復旧工事にあたる関係者や住民に親しまれたが、被災者から借りた店の敷地の使用期限を迎えたため、2022年3月に真備町の店を畳み、その年の冬に岡山市の現在の場所に「ノラネコ食堂」を“復活”させた。 店では真備町特産のタケノコを使ったおかずみそ「飯取物語」がのった「かぐやもち」(500円)のほか、岩田さんが東日本大震災の被災地支援で関係ができた岩手県三陸産のワカメやホタテなどを使った料理も味わえる。 現在の店には真備町時代の常連客が岩田さんや店員に会いに頻繁に店を訪れ、岩田さんも1週間から2週間に1回、真備町に足を運び、住民との交流を続けている。 2024年1月に発生した能登半島地震の被災地、珠洲市や輪島市などには、炊き出しのためすでに7回足を運んだという岩田さん。真備町に戻るとなじみの住民から、「炊き出しの足しにしてほしい」とカンパが寄せられることもあるそう。 災害のことを決して忘れてはいけないー。 被災地の食材を店のメニューに反映させてきた店主の岩田さん。玄関にいまも「ノラネコ食堂 真備店」の看板を掲げた店に能登半島の名物がメニューに加わる日もそう遠くなさそうだ。 (岡山放送) 《ノラネコ食堂》 住所:岡山県岡山市北区表町1丁目9-42 ※2024年5月時点の情報です。
FNN