老化防止には「食べる時間」が大事!医師が解説、食事をとるべきタイミング
体内時計が乱れてしまうと、体調などの健康面にも大きな影響を与えてしまいます。特に、睡眠障害などが起こりやすいというイメージが強いですが、それだけではなく筋肉維持や老化防止などにも関わりがあるようです。そこで今回は、体内リズムが健康にもたらす影響について、YouTubeチャンネルの登録者数が37万人を誇る、医師でヘルスコーチの石黒成治先生に教えてもらいました。 ◇ ◇ ◇
“サーカディアンリズム”が果たす役割
細胞の中には“概日リズム”や“サーカディアンリズム”と呼ばれる、細胞そのものが時間を認識する体内時計があります。 その体内時計は、睡眠と覚醒のサイクルを調節するという重要な役割を果たしますが、それ以外にも食事の分解やエネルギー吸収など、代謝に関する能力にも影響を与えやすいです。 さらに、サーカディアンリズムは筋肉の量にも非常に影響を与えます。筋肉の量は血糖値のコントロールや脂質のコントロールなど、代謝臓器としての役割があるとよく言われますが、その機能に細胞の中の時計が関与しているのです。
「睡眠」と「覚醒」のリズムが乱れる
サーカディアンリズムは多くの遺伝子によってコントロールされていますが、その遺伝子が乱れると睡眠と覚醒のリズムも乱れて健康に影響を与えてしまいます。 例えば、夜勤をする人は睡眠障害が出やすいとか、身体的や心理的な健康異常、心血管系や代謝の異常、女性ホルモンの異常やガン、不安、抑鬱などが起こりやすいということが、過去の研究で報告されています。 サーカディアンリズムは太陽の光でリセットされるのですが、リズムは25時間周期と言われているので、24時間に合わせるために太陽の光を浴びて時計をリセットしなくてはいけない。でも、なかなかやらない人が多いのが実状です。
体内時計のコントロールは“老化防止”につながる
サーカディアンリズムは主に脳がコントロールをしていると考えられていますが、脳だけではなく、脳と筋肉がお互いに交信していることが、マウスを使った研究でわかっています。 視交叉上核(SCN)と呼ばれる目の奥にある核が、サーカディアンリズムをコントロールする脳の領域ですが、このSCNの遺伝子をブロックするとサーカディアンリズムが狂ってしまうのです。 サーカディアンリズムの遺伝子がブロックされると、活動性や非活動性が変わってしまい、酸素消費量やエネルギー消費量、血糖値や脂質の代謝の異常なパターンが出てくることが報告されました。 さらに、そのまましばらく観察していくと、マウスの筋肉の量も徐々に減少し始めました。そこで再びSCNの遺伝子を発現させて元に戻したら、それ以上筋肉は減少せず、筋肉を維持することができました。 なので、筋肉の維持や早期の老化防止には、細胞の中の時計であるサーカディアンリズムをコントロールすることが非常に重要になります。