老化防止には「食べる時間」が大事!医師が解説、食事をとるべきタイミング
“活動的な時間帯”に食事を取ることが大切
人も年齢を重ねて睡眠と覚醒のサイクルが乱れてくると、同時に“サルコペニア”と呼ばれる筋肉量の減少も起こります。 年齢を重ねると多くの人が、睡眠時間が短くなったり、朝早く目覚めて夜は早く寝たりといった感じになります。動物実験でも、年齢を重ねるとSCNの遺伝子の発現が減少して、サーカディアンリズムが乱れやすくなることがわかっているので、人においても同じようなメカニズムがあることは容易に想像できます。 ただ、この動物試験には続きがあり、マウスに食事制限を加えるとサーカディアンリズムが復活して、筋肉の機能低下を防ぐことができたということも報告されています。 活動性が高いときに食事を与えて、活動性が緩いときには食事を与えない。食べる時間と食べない時間をしっかりと分けるようにしたそうです。 人も食事が遅れたり夜間に食べたりすると、肥満や糖尿病、心臓病などになりやすいのですが、こういったときには体内時計が乱れています。食事のタイミング遅くなったり食事の回数が多かったりすると太りやすくなり、特に20時以降にカロリーを摂ると体重が増えやすくもなります。 どの時間帯に食事を取って制限するかということが重要ですが、朝型タイプの人はなるべく早い時間、夜型タイプの人はある程度遅くてもいいとは思います。 ただ、寝る直前にはならないようにすることと、なるべく活動的な時間帯に食事をすることが重要です。それによってサーカディアンリズムが崩れるのを防いで筋肉量の萎縮を防ぐことができて、早期の老化を防ぐこともできます。 食事の時間帯と食べている時間全体を一度考えてみると、老化の予防にもつながるでしょう。 (TEXT:山田周平) ▼動画でもっと詳しく知る 【YouTube】https://youtu.be/uryu9wnbC7I 画像提供:Adobe Stock
石黒成治先生
消化器外科医、ヘルスコーチ。 1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸癌外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。Dr Ishiguro YouTubeチャンネル登録者数は37万人超(2024年1月時点)。
執筆者情報
■山田周平 ライター。さまざまなWEBサイトでエンタメ記事や育児コラムなどを書いています。著書に『ひとのパパ見て わがパパ直せ』。 Instagramアカウント:@damepapa31 https://www.instagram.com/damepapa31/