はやぶさ2が地球に帰還へ JAXA会見(全文3完)ありがとう、また会う日まで
帰還日は現時点でいつごろになるのか
林:ライターの林です。帰還日についてお伺いしたいんですけども、2020年末ということなんですが、今の時点でいつごろになるのか、今まだ決まらないとしたら、いつごろどういうタイミングで決まっていくのかということを教えてください。 津田:今のところ申し上げられるのは2020年の11月から12月という、今までの言い方と変わらなくて申し訳ないんですけども、それ以上の情報は今のところ増えていません。これからいろんな検討をしていくということと、あとオーストラリア政府との交渉もまだこれは続いている、調整も続いている状況ですので、この辺が全て整ったら皆さんにお知らせできることになると思います。 いつお知らせできることになるかも、ちょっと今のところ、はっきりしたことは申し上げられなくて、ただ、あしたですとはならない、十分に時間余裕を持ったところで、きちんと発表できるようにはしたいと考えております。すいません、今のところはここまでなんですけど。 司会:今の方の前の方にお願いします。
リュウグウにもらった宿題は?
しんぶん赤旗:赤旗新聞の【中村 00:44:26】です。今回、リュウグウでの完遂されたということなんですけれども、次に向けてリュウグウにもらった宿題といいますか、今回行ってみて、次に向けて考えていらっしゃることがあれば、工学的な見地と科学的な見地と両方の側面でお願いします。 津田:工学面をじゃあ私がお答えしますね。これはたくさんありまして、それこそリュウグウが非常に厳しかった、それを乗り越えることができたことで見えてきた世界っていうのがあります。例えばタッチダウン、われわれ精度60センチメートルという非常に高い精度で、非常に遠方の天体に着陸できました。これは「はやぶさ2」にとっては、リュウグウがこうだったからそれに合わせて練りに練った結果、やっとできたと。当初の想定ではなかったわけです。 ですが、次からはこれを前提にして、じゃあ例えば1メートルぐらいの精度で着陸できます、だったらどういう科学ができますか、だったらどういう探査ができますかっていうことを考える、そういう、もう1ステップも2ステップも技術的に考えるレベルが上がったんだというふうに思います。 クレーター生成についても同じで、クレーターを狙ったところから30メートルのところで13メートルのクレーターをつくりました。これはもちろんリュウグウという環境によってどういう大きさのものができるというのは分からなかったんですけれども、今1回、クレーターをこういうふうにつくったので、こういうものをつくればこういうことが起きるというのが分かったわけですよね。じゃあだったら次、地下の状態を調べるには、次の一手はどうしますかということが考えられるんだと思います。そこから先はもういろんなことが妄想というか技術的にはいろんなアイデアが膨らむんですけれども、まさにそういう、考えるステップが1歩、2歩進んだということで、非常に大きい成果が得られたと思っています。