「ずばり、ジュガード」スタバ、Google…“インド出身CEO”が世界の大企業を席巻している理由【亀田製菓会長が分析】
「亀田の柿の種」「ハッピーターン」などでお馴染みの亀田製菓CEOはインド出身だった! ジュネジャ・レカ氏インタビュー第3回は、なぜ今、世界的企業のトップに続々とインド人が就任しているのか。その理由と、今の日本企業に必要なマインドを語る。 【写真】社員がモデルとして登場するポスター、ジュガードの意味が記された社内向け資料
逆境でも絶対に諦めないインド人の強さ
シャネル、スターバックス、YouTube、そしてGoogleを傘下にもつアルファベットなど、現在世界の名だたる企業のトップはインド人だ。 1984年に来日して以降、食品素材メーカーの太陽化学、ロート製薬で副社長をつとめ、現在は亀田製菓代表取締役会長CEOであるジュネジャ・レカ氏は、ビジネス界におけるインド人の強さをこう分析する。 「ずばり、フレキシビリティーでしょう。インドにはJugaad(ジュガード)という言葉があります。これは『限られたリソースを使用して効率的なソリューションを即興で提供する』という意味です。つまりどんな逆境でもけっして諦めないということ。 例えばビジネスにおいて、人がいない、金がない、時間がない、という状況は多くあるでしょう。これは私たちインド人にとっては『できない理由』にはなりません。単なる課題だと捉えているのです。人がいないならどうすればいいか、金が、時間がないならどうすればいいか、常にフレキシブルに解決策を探る。インド人には逆境のなかでチャンスを掴むという気持ちがとても強いんです」 インドには14億もの人がいて、競争が厳しい社会だとはよく言われていることだろう。そのとおり、大学受験では0.1ポイントを争う熾烈な戦いになるという。その競争が切磋琢磨となり、課題を乗り越える力につながっているのだろうとジュネジャ氏。また研究職であろうとも、多くの人が大学や大学院、MBAスクールなどでマネジメントを学ぶため、研究者でありながらすでに経営者のマインドも持ち合わせるのだという。 「そしてインドは公用語が英語なので、教育を受けた多くの人は英語を使うことができます。これが他のアジア諸国に比べて大きなアドバンテージになっている。そして欧米に進出し生きること、ビジネスをすることでまた新しい課題と直面し、一皮も二皮もむけていく。そうやって洗練されていった人たちが、名だたる企業のトップとなっているのでしょう」