飛び道具で均衡破り、攻撃的な守備で流れ渡さず…攻守に充実の高知、専大北上撃破で15大会ぶり白星!!
[12.29 選手権1回戦 専大北上高 0-2 高知高 駒場] 第103回全国高校サッカー選手権は29日、各地で1回戦を行った。浦和駒場スタジアムの第1試合では、3年ぶり3回目の出場となる専修大北上高(岩手)と2年ぶり19回目の出場となる高知高(高知)が対戦。高知が2-0の勝利を収め、31日の2回戦で静岡学園高(静岡)と対戦する。 【写真】「イケメン揃い」「遺伝子を感じる」長友佑都の妻・平愛梨さんが家族写真を公開 立ち上がりからFW門田翔平(3年)、MF西森吏玖(3年)が放り込むロングスローを武器にゴールに迫る高知。特に、西森は飛距離十分のハンドスプリングスローを披露し、スタジアムに詰め掛けた観客のどよめきを誘った。そして、12分にそのロングスローの流れから先制点を奪取する。 門田が放り込んだロングスローは一度ははね返されたものの、こぼれ球を拾って二次攻撃につなげると、門田のパスからPA内左に侵入したDF中城夢良(3年)がグラウンダーのクロスを供給。ファーサイドに走り込んだキャプテンのMF市原大羅(3年)がきっちり押し込み、スコアを1-0とした。 1点のビハインドを背負った専大北上は、左サイドのMF小原佑太(2年)が切れ味鋭いドリブルで存在感を示し、MF吉池晃大(2年)とDF小野寺聖月(2年)が蹴り出す正確なCKからゴールを脅かす。18分には吉池のCKのこぼれ球に反応したDF小森光稀(3年)が鋭いシュートを放つも左ポストを叩き、19分にはCKの混戦からMF横山瑛大(3年)が狙ったがゴール左に外れてしまった。 1-0のまま後半を迎えても、流れは大きく変わらない。「自分たちから守備もアクションを起こしていくところを徹底していた」(高知・大坪裕典監督)との言葉通り、高知の選手は攻撃から守備へと素早く切り替え、専大北上のボールホルダーに簡単には自由を与えない。専大北上のキャプテンを務めるDF成田大悟(3年)も「出足の部分が速く、セカンドボールも回収されてしまい、自分たちのサッカーができなかった」と認めたように、高知はセカンドボールを素早く回収して再び攻撃権を手に入れた。 すると、25分に追加点が生まれる。相手のパスミスに反応した市原がダイレクトでスルーパスを供給。走り込んだ門田が右足でねじ込み、リードを2点差に広げた。その後も前線からのプレッシャーを緩めることなく、専大北上の反撃を許さずに2-0のまま逃げ切って初戦突破を決めた。 高知高の選手権での勝利は88回大会以来、実に15大会ぶりとなった。指揮官は「なかなか高知県勢も勝ち上がることが難しい状況の中で、初戦を突破したのは大きな収穫です」と充実感を漂わせつつ、「でも、我々は全国優勝を大きな目標としてやっているので、一喜一憂するのではなく、次の試合をしっかり見据えたい」とすぐさま次戦へと気持ちを切り替えていた。