[リトアニアへの旅]ユネスコのモダニズム建築都市、カウナスを歩く。
4)国立チュルリョーニス美術館(1936年築)
建築家はヴラディミラス・ドゥベネツキス、カロリス・レイソナス、カジース・クリシチュカイティスなど。リトアニアを代表する芸術家「ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(1875‐1911)」の美術館も見逃せない。画家であり音楽家でもあるマルチアーティストの チュルリョーニスは、抽象美術の先駆者的存在で、日本にも熱烈なファンをもつ。王冠のような正面玄関がアイコニック。
たとえば、雲、太陽、月、山、湖といった豊かな大自然とモノやヒトを対峙させ、見るものに謎を解かせるような底知れぬ魅力がある。大胆な構図と独自のシュールな画風が夢の世界へと誘ってくれるはず。上は「城のおとぎ話」。
こちらは「ソナタ第6番アレグロ」。音楽家・詩人としての感性がそこここにちりばめられている。すっきりとした直線美の建物と、チュルリョーニスの作品をぜひとも堪能していただきたい。(住所:V. Putvinskio g. 55)
5)杉原ハウス(1939年築)
旧ユオザス・トンクーナス邸宅/日本領事館。 建築家はユオザス・ミルヴィーダス。リトアニアといって日本人が忘れてはいけないのが、第二次世界大戦中に「命のヴィザ」を発行して、数千人ものユダヤ人を救った外交官、杉原千畝(すぎはらちうね)。ジャリャカルニス地区の高級住宅地にあるこの建物は、杉原が暮らし業務を行っていた場所。(住所:Vaižganto g. 30)
インテリアにも注目!ドーナツ屋の日常風景。
「1960年代に開業、ソ連独立前の雰囲気が垣間見える」。そんなカウナスのイラストガイドマップのコピーに惹かれ、立ち寄ってみたドーナツ屋。行ってみたら、得も言えぬ渋さにあふれたインテリア!モダニズムの典型のような椅子の形、床の幾何学模様、カンディンスキー風の壁模様......。
一気に60~70年代の映画の世界に引き込まれたような気分に。早朝からひっきりなしに常連客がやってきてはドーナツとコーヒーを注文する。こんな光景に出合えることもリトアニアの旅の醍醐味のひとつ。