[リトアニアへの旅]ユネスコのモダニズム建築都市、カウナスを歩く。
中心街の代表的なモダニズム建築。
代表的な建物をいくつか紹介しよう。主要な44軒のモダニズム建築についてのガイドを聞くことができるアプリケーションもあるので、スマートフォンにダウンロードすれば建物の説明(英語)を聞きながら街歩きができる。(アプリ:Kaunas of 1919-1940)
1)中央郵便局(1931年築)
建築家はフェリクサス・ヴィズバラス。建物の一部が郵便局として2019年まで使われていた。まず目を奪われるのが玄関入口と本館の床面に広がる市松風の変形模様。内部はクラシックな印象で、淡いレモンイエローの壁に長年使い込まれた感のある木造りの作業台。
壁の上部にはカニや牛、という驚きのモチーフのステンドグラス風灯り窓が。古い切手のデザインが絵画になり、ずらりと並べられそれも見応え十分。控えめな配色といい細部の手の込んだ意匠といい、さまざまな要素がミックスされながら不思議と統一感がとれている。そして何度見ても楽しい!ということは作り手たちも楽しみながら設計したに違いない。現在はギャラリーとなっている。(住所:Laisves al. 102)
見逃せないのが、グランドホールのすりガラス天井のライトと、正面に飾られた琥珀色の幾何学的なアートワークス。飾り窓や空気口などの細部も美しいミニマムデザイン。モダニズムのエッセンスが詰まっている!重厚なロンドンの老舗ホテルのような回転ドアも要チェックだ。(住所:Laisves al. 96)
3)ロムヴァ映画館(1940年築)
建築家はニコラユス・マチュルスキス。どこの主要都市にも、少なくともひとつは老舗の映画館が存在した。多くのカウナス住民たちの映画愛を刺激した小さなアールデコ様式のロムヴァの映画館は、改装されて新しくなっている。こちらの写真は改装前のもの。
こちらは現在の映画館。新しくなった映画館よりもっと現役感がある。(住所:Laisves al. 54)