しろくまピース、25歳の誕生会…見守り続けた飼育員「これからも歩調を合わせて一緒に」
人工哺育のホッキョクグマとして、国内の最長生存記録を更新している愛媛県立とべ動物園(砥部町)のピース(雌)の25歳の誕生会が7日、同園で開かれた。全国からファンが駆けつけ、ケーキがプレゼントされる様子などを笑顔で見守った。(黒岩美緒) 【写真】生後2か月過ぎ。ぬいぐるみのように愛らしい姿だったピース
ピースは1999年12月2日に誕生。母親が育児をしなかったため、同園は直後に人工哺育に切り替え、現在もピースを担当する飼育員の高市敦広さん(54)が自宅に連れて帰るなどして育てた。
誕生会では、高市さんが、約500人の来園者にあいさつ。「みなさんに元気な姿で会っていただけてほっとしている。これからの道のりも、歩調を合わせて一緒に歩んでいきたい」と話した。
ピースは、好物のリンゴや氷でできた特製のケーキ(高さ45センチ)をプレゼントされ、来園者に見守られながら、おいしそうに食べた。
約15年前からピースのファンで、毎年、東京都から誕生日を祝いに来ているという主婦(65)は「25歳を迎えられたのは、園や高市さんの努力のおかげ。ピースは人をひきつける魅力を持っていて、いつも愛媛に着いた途端に会いたくなっちゃう」と目を細めた。
兵庫県から駆けつけたという団体職員(45)は「2年前までは愛媛に住んでいたので、ピースの成長は幼い頃から親のような気持ちで見守っていた。とにかく今後もかわいく元気に過ごしてほしい」と願った。
県は高市さんや担当獣医師など、ピースを支える人々を取り上げた記念の動画を作成した。担当者は「25歳という節目で、ピースに関わる人々の思いを通して、改めてピースについて知ってもらいたい」としている。
愛らしいシュークリームも
園内では、ピースをかたどったスイーツや誕生会の限定グッズが販売され、人気を集めた。「しろくまピースシュー」(税込み540円)は、クリームで表現したピースの姿が愛らしい商品。手作りで一つひとつ表情が異なるため、来園者らはお気に入りのピースを見つけ、手に取っていた。