全国に拡大中!“ゴンチャ”快進撃の裏にある常識破りの戦略とは
さらにやる気を引き出す取り組みもある。本社に招かれたのは店舗で働くアルバイトの二人。そこに運ばれて来たのは発売を目前に控えた新商品だ。この二人が新商品の考案者。「ブルーハワイ」は渋谷で働く女性スタッフが、「洋梨ベリー」は岐阜の店舗の女性スタッフが考えた。 全国で働くアルバイトに新商品のアイデアを募り商品化するプロジェクト。多くのアルバイトから「やってみたい」という声があり、「それなら」と角田が始めた。 「全部で約200の応募があった中で、勝ち残ったのがこの2商品です」(角田)
8月8日の新商品の発売当日。渋谷スペイン坂店で働く「ブルーハワイ」を考案したスタッフを訪ねてみた。胸には「私が考案しました!」というバッジが。「世界に一つだけです」と言う。 最初に受けた注文は自らの手で作った。まずゼリーをカップへ。続いてライムやオレンジの香りのブルーハワイソースと阿里山ウーロンティーを加え、そこへミルクを合わせてミントブルーのミルクティーに。仕上げにミルクフォームを乗せれば完成だ。 初日から売れ行きは上々。「今日が来るまで楽しみで、やっと今日が来たのでうれしい気持ちでいっぱいです」と言う。
角田の人を大切にするやり方は経営者としての特徴にもなっている。 ゴンチャの世界のトップたちがオンラインで集うグローバルミーティング。 ゴンチャは世界でおよそ2200店を展開する。最も店舗数が多いのは韓国。日本は162店で4位だが、売り上げでは世界2位につけている。 グローバルCEOポール・レイニッシュは「日本は私たちにとって重要な市場です。角田さんは従業員を大事にしているので、それが成功につながっています」と語った。
強力なライバルが出現~初の挑戦が「すごい」結果に
今、ゴンチャのライバルともいえるアジア発のカフェチェーンが続々と上陸している。 中国で6000店以上と、規模ではゴンチャを上回る「コッティコーヒー」。人気のミルクティーはMサイズ、Lサイズ共通で550円とお得感がある。 ライバル増えて競争が激化する中、角田が新たな一手を打った。 6月27日、フィギュアスケーターでタレントの本田望結さんが登場して新商品の記者発表が行われた。「セブン―イレブン」限定で売られるゴンチャ初のペットボトル飲料(181円)だ。 黒糖烏龍ミルクティーと阿里山ピーチティーの2種類。製造するのは飲料大手の「キリンビバレッジ」。店舗と同じ産地の茶葉を使用。試作は60回繰り返し、ゴンチャの味を再現した。 7月2日、ゴンチャのペットボトルが「セブン―イレブン」の棚に並んだ。想定を大きく上回る売れ行きで現在は品薄状態になった。ゴンチャの新たな快進撃が始まった。 ※価格は放送時の金額です。 ~村上龍の編集後記~ 強さは採用にある。クルーは実際にゴンチャのファンばかり。優秀で、やる気があるのに加え、友だちまで連れてきてくれる。休日、小学生の子どもとスケートボードに行く。子どもたちは失敗を恐れないから上達も早い。自分は怪我をしないようにと用心しながらやるので上達が遅い。失敗しないことは挑戦しないことと同じだ。業績不振のとき、仕事は?と聞かれた「消防士」と答えていた。会社全体に火種があったからだ。店舗数は、コロナ前に比べ2倍に増えている。今後も前向きな失敗を重ねながら、新しいお茶の文化を広げていく。 <出演者略歴> 角田淳(つのだ・じゅん)1971年生まれ。1995年、アメリカの大学を卒業。大手自動車メーカーを経て、音楽イベントなどのマネジメントを行う。2010年、日本サブウェイ入社。2016年、社長就任。2021年、ゴンチャジャパン社長就任。 ※「カンブリア宮殿」より
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