全国に拡大中!“ゴンチャ”快進撃の裏にある常識破りの戦略とは
〇角田流改革1~大胆にコーヒーを廃止 角田は2024年の4月からほとんどの店舗でカフェの定番、コーヒーを廃止した。コーヒー廃止後、1店舗あたりの売上は増えているという。 「我々はお茶へのこだわりをもって運営しているので、そこに集中したい。例えば、ラーメンは中華料理店ではなくラーメン店で食べたいという考え方のもと、まずは専門店として認識してもらう」(角田) 〇角田流改革2~おしゃべりは大歓迎 角田はゴンチャの店の作り自体も変えた。壁際に仕切りのついた席が並んでいる。二人がけより狭めの1.5人席。至近距離で思いきりおしゃべりしてもらおうと用意した。「仕切りに囲まれて落ち着く」「近くて話しやすい」と女性客に好評だ。 「おしゃべり歓迎」だから、店内はかなりザワザワしているが、それこそ他のカフェチェーンとの差別化戦略の一つ。根底にあるのは角田の「楽しむ」というモットーだ。 「お茶とのひとときがイコール時間を有意義に過ごす、楽しむことかなと思っていますので、皆さんの過ごす時間の価値を上げていきたい」(角田)
倍率13倍!バイト募集に殺到~驚きの商品開発のウラ側
この日、角田は新規にオープンする横浜市の横浜ビブレ店へ。アルバイトのスタッフに「400人の中の皆さんなので、最強チーム。日本一の店舗を目指して楽しめるチームを作ってほしい」と語りかけた。 今回は30人のアルバイト募集に対して400人の応募があり、13倍という倍率になった。この店に限ったことではない。人手不足に悩む飲食業界にあって、ゴンチャではアルバイト希望者が絶えないのだ。 ゴンチャのアルバイトの9割は、もともと客として来ていたいわばファン。しかも特別な職場環境を用意し、希望者殺到という事態になっていると言う。 角田は全国の店舗を周り、アルバイトから直接、日頃思っていることを聞き出し、働きやすい職場に変えようとしている。 東京・目黒区の自由が丘店では、「困っていることはありますか」という問いかけに、「音楽が聞こえづらい」という答えが返ってきた。「働いている時も音楽が聞こえたほうがいい。どんな音楽がいいですか」と角田が聞くと、「はやっているJポップとか」。 「貴重な時間を使って働いてくれているので、楽しんでほしいと思って現場の皆さんの声を聞くようにしています」(角田) 後日、再び自由が丘店を訪ねると、店内にはJポップが流れ、スタッフの顔も生き生きしているように見えた。 また、角田は細かく決まっていた髪の色のルールを撤廃した。 こうした働く人のことを考えた職場づくりがアルバイトの殺到につながっている。