全国に拡大中!“ゴンチャ”快進撃の裏にある常識破りの戦略とは
ちなみに一番人気はタピオカ入りの「ブラックミルクティー」Mサイズ(570円)。タピオカは本場・台湾産を店内調理して、人の手と時間を惜しまないやり方でモチモチ食感を生み出している。 カフェチェーンでは珍しいのが、学生証を提示すれば学割価格になるサービスだ。例えば760円のLサイズは560円と、200円も割安になる。だから学食カフェのように学生が通ってくる。 客を待たせない工夫もある。カウンターのスタッフが接客するその後ろで、別のスタッフがトッピング、シロップ、氷を入れてまた別のスタッフにバトンタッチ。すぐさまティーを注げば完成。チームワークを活かした細かい分業制でスピードアップを図っている。
どん底からの快進撃~コーヒーが飲めない&おしゃべり大歓迎
ゴンチャは2006年、台湾で誕生した。漢字で書くと「貢茶」。かつて中国の皇帝に貢がれたような「極上のお茶を」と、命名された。 日本上陸は2015年で、日本法人のゴンチャジャパンを設立。2018年にはタピオカブームが起こり、どの店も大行列で社会現象にまでなった。 だが、2年でブームは終了。その後、新型コロナショックもあり、売り上げを落とす店が相次いだ。 当時を知る社員は「どうなっていくんだろうという不安な雰囲気がすごくあった」(事業開発部・太田昇)、「苦境に耐えるのに精いっぱいで、未来が明るい感じはなかった」(サプライチェーンマネジメント部・粂田凪沙)と言う。 ゴンチャジャパン社長・角田淳(53)の前職は「日本サブウェイ」社長。ゴンチャジャパンの社長に就任したのは売り上げが低迷していた2021年。社内の問題を次々と解決し、自ら「消防士」と名乗ったやり手経営者だ。 この日は全身泥んこになってアウトドアイベントに参加していた。 「大事なのは楽しむこと。だから一生懸命になれる」と言う。モットーは「楽しむこと」。南米出身の母親を持つ角田は幼少期をブラジルで過ごし、陽気でおおらかに楽しむ生き方が自然と身についた。 角田はどうやって客を呼び戻したのか。