SNSでデマを見抜けず拡散...「自分で考えられない人」がハマる落とし穴
むしろ「自分は大丈夫」と思っている人ほど要注意
「ダニング=クルーガー効果」という、デイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーの2人がおこなった実験結果から導かれた法則があります。 この実験では、238人の学生のうち、124人にいくつか試験をおこない、解答直後にその成績を自身で評価してもらいます。自分の試験結果がどれくらいだったのかを予測してもらい、自己認識と実際の試験結果の差分がどのように現れるかを計る目的がありました。 その結果、試験の出来が悪い人ほど自身の成績を過大評価しており、試験の出来がいい人は成績を過小評価する傾向にあることがわかりました。もちろん「自分は大丈夫」と思っている人が必ずしも、過大評価だと言うつもりはありませんが、自分がこれまでしてきた経験や直観が絶対的なものではないことの教訓として注意は必要です。「自分は大丈夫」と思うこと自体がズレた先入観かもしれないのです。 自己評価がアテにならないということは、言い換えれば商材の提供者や商品・サービスの良し悪しも、自分の評価だけで考えてもアテにならないということです。 自分以外のものを評価しようとしても、それは必ず自身の評価を絶対として考えているからです。そこには多かれ少なかれ、ダニング=クルーガー効果が生じるでしょう。それを認識していなければ、自分はあたかもあらゆるものを客観的に評価できると勘違いしているかもしれません。 仮に、そういった自覚がなければ、しっかり自分で考えたり、思考を深めたりするということも不十分になっている可能性があります。このことから、つねに裏取りをする習慣をつけておくことが重要と言えるのです。
服部真和(行政書士)