【首都大学リポート】「自分で考えることができる選手」 対応力の高い打撃を見せる帝京大・山本晃聖
暑さが収まり上り調子に
この夏は長打力アップを目指してきた。「ヒットを打つ確率を落とさず、長打を増やすために体重を増やしてきました。また、ボールへのアプローチを変えて距離をとるようにし、バットを最短距離で出すのではなく、少しふくらませるように軌道を変えてスイングするようにしたところ、オープン戦では長打が増えました」。 シーズンが開幕してからも第1週の城西大2回戦ではホームランと好スタートを切ったが、翌週の桜美林大1回戦。試合の途中で足がつってしまい「下半身に不安が出て、バッティングの調子も落ちてしまいました」と不調に陥ってしまった。 下半身を鍛え直し、暑さが収まってきたこともあって「やっと疲れも取れてきて、下半身が動くようになってきました」と前週の日体大2回戦は今季初の3安打を記録した。 この日の東海大1回戦では3打席目まではノーヒットに抑えられ、チームも大量リードを奪われたが「チームメートやチアをはじめ、関係者の皆さんがスタンドで応援してくれているので最後まであきらめませんでした」と9回の最後の打席で声援に報いる適時打。 唐澤監督は「山本は自分で考えることができる選手。今日は打ち取られていた打席も良い感じでスイングしていましたし、きっちりと修正してくれました」と対応力の高さを認めている。 10月19日現在、関東大会へ進むには東海大に2連勝したうえで、他チームの結果次第となったが「後輩たちに残してあげられるものは残していきたい。そのためにも関東大会には出場したい」と山本。この一敗で土壇場に追い込まれてしまったが、どん底から這い上がってきた山本ら4年生が最後にもうひと踏ん張りを見せる。 文=大平明
週刊ベースボール