日銀・黒田総裁会見7月30日(全文1)量的・質的金融緩和を継続
日銀の黒田東彦総裁は、金融政策決定会合後の30日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が決定会合後に記者会見(2019年7月30日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁が決定会合後に記者会見(2019年7月30日) ◇ ◇
本日の金融政策決定会合の結果
NHK:それでは幹事社NHKの【オオクボ 00:00:36】と申します。よろしくお願いいたします。総裁、本日の金融政策決定会合の結果について、展望レポートの内容も含めてご説明、狙い等々、教えてください。 黒田:本日の決定会合では長短金利操作、いわゆるイールドカーブ・コントロールの下で、これまでの金融市場調節方針を維持することを賛成多数で決定しました。すなわち短期金利について、日本銀行当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%のマイナス金利を適用するとともに、長期金利については10年物国債金利が0%程度で推移するよう長期国債の買い入れを行います。その際、長期金利は経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるものとし、買い入れ額については保有残高の増加額、年間約80兆円をめどとしつつ、弾力的な買い入れを実施します。 また、長期国債以外の資産買い入れに関してはこれまでの買い入れ方針を継続することを全員一致で決定しました。ETFおよびJ-REITの買い入れについては年間約6兆円、年間約900億円という保有残高の増加ペースを維持するとともに、資産価格のプレミアムへの働き掛けを適切に行う観点から市場の状況に応じて買い入れ額は上下に変動しうるとしています。本日は展望レポートを決定、公表しましたので、これに沿って経済・物価の現状と先行きや金融政策運営の基本的な考え方について説明します。 わが国の景気の現状については「輸出・生産や企業マインド面に海外経済の減速の影響がみられるものの、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、基調としては緩やかに拡大している」と判断しました。やや詳しく申し上げますと、海外経済が減速する下で輸出は弱めの動きとなっており、製造業の業況感も悪化しています。 一方で、6月短観で見た2019年度の設備投資計画が高めの伸びを維持しており、個人消費も緩やかに増加するなど、家計、企業の両部門において引き続き所得から支出への前向きの循環が働いています。なお、個人消費の一部には前回増税時よりも小幅ながら消費税率引き上げ前の需要増も見られ始めています。この間、住宅投資や公共投資は横ばい圏内で推移しています。 このように輸出は弱めの動きとなる一方、国内需要が増加していることから鉱工業生産は横ばい圏内の動きとなっており、労働需給は引き締まった状態が続いています。