渡邉恒雄さん死去 球界の「独裁者」と言われた巨人軍最高顧問は元々野球のポジションもよくわかっていなかった
■野球協約の条項をスラスラと… 「ナベツネさんは元々野球が詳しくなかったんですよ。ポジションを言われてもピンと来ていなかったけど、野球協約に書かれている内容はすべてに頭に入っていた。ぶら下がり取材になった時、『記者がこんなことも知らんのかね』とある条項をスラスラ答えていた。凄いなと思いましたね。言い方が難しいんですけど、世間で伝えられているイメージと、会った時の印象が違うんです。活字にすると過激に感じるんですけど、会話の中でやりとりすると思いが伝わってくる。不器用だけど、冷たくはない。ホテルや自宅前に記者陣が張り込むと、ぶら下がり取材にきっちり応じてくれました。『こんな時間に来るなよ、バカヤロー!』と言いながらうれしそうな顔をして色々話してくれる。逝去されて、一つの時代が終わった感がします」(前出のスポーツ紙記者) エネルギッシュに最後まで人生を駆け抜けた。天国でも巨人の戦いぶりに目を光らせているだろう。合掌。 (今川秀悟)
今川秀悟