TikTokではじまるファンコミュニティ 50歳のダンス女性や、ホタテ漁師を熱烈応援
ファンが多様化、細分化
かずさんと匡哉さんにとって、現在TikTokは日々のライフワークになっている。表現欲求を解き放ち、応援してくれるファンに支えられ、それぞれの夢に向かう。一方で、テレビや芸能界という大きな枠組みの仕掛けに飽きたファンはネットで多様化、細分化した関心へと向かう。 かずさんを応援する、電機メーカー勤務のカツレツさん(50)は、TikTokというメディアが台頭する理由を「表現者と視聴者の間にスポンサーやプロデューサーがいないから、企画も忖度(そんたく)も意向もない。そこが本当にナマっぽくて、みんな夢中になるのではないでしょうか」と語った。 いつでもどこでも人は「夢中になれる誰か」を見つけ、心底応援する。その細分化された関心が新しいコミュニティを生み出しはじめている。
--- 堀香織(ほり・かおる) ライター。大学卒業後、『SWITCH』編集部を経てフリーに。『Forbes JAPAN』ほか、各媒体でインタビューを中心に執筆中。単行本のブックライティングに是枝裕和『映画を撮りながら考えたこと』、小山薫堂『妄想浪費』など。鎌倉市在住。