TikTokではじまるファンコミュニティ 50歳のダンス女性や、ホタテ漁師を熱烈応援
アプリを立ち上げると、十数秒~数分の動画がランダムに表示されていくTikTokは、登録すれば誰でもスマートフォンで撮影・編集した動画を投稿できる。日本ではサービス開始から5年目を迎えた。TikTok広報によると「世界の月間利用者数は10億人を超え、投稿できる動画の長さは15秒を中心に3分以内」だという。利用者の中心は10代20代の若い世代だが、そんなTikTok内に小規模のスターやコミュニティが生まれつつある。
サイン入りカレンダーも販売
「かず」さんが2020年10月28日に投稿したTWICEの「I CAN'T STOP ME」も150万回以上の再生回数となり、コメント欄には「こんな綺麗なのに長男が20歳、、? 時空歪んでるって!」と驚きの声が並ぶ。 一方、古い歌もある。今年2月1日に投稿し、91万再生以上となった「カメレオン・アーミー」は1978年のピンク・レディーの曲。かずさんも「この曲知らない人もいるかなー」と書いたが、「ダンス最高じゃん! 時代ですよね」「同い年は嬉しい(笑)!」と同性からの声が広がった。現在、動画1本に対し、平均3000以上のハート(いいね)、400以上のコメントがつく。 今年9月には、自らの写真を大きくあしらったサイン入りカレンダーを発売した。壁掛けA3サイズと卓上サイズの2点、それぞれ限定100部が1カ月で完売。いま再販を検討中だ。カレンダーと言えば女優やアイドルの定番商品だが、実はファンからの要望で実現したものだという。
「趣味がハンドメイドなのですが、(ファンから)『僕らが買えるようなものをつくってよ』と言われて、一晩で個人サイトを作ったんです。キーホルダーや編みぐるみを販売したところ、今度は『写真集出してよ』とコメントが寄せられて。さすがに写真集は……ということで、カレンダーになりました」 かずさんは照れながらそう話す。 「奥さんのいらっしゃる方からは『家に飾れないので、会社に送ってほしい』との要望も。『アイドルのカレンダーを買うなんて松田聖子さん以来です!』というコメントもありました」 ダンスは、結婚前にあるテーマパークのダンサーをしていたという折り紙付きで、現在はヨガインストラクターとキッズダンスの講師も務める。ただ、かずさんは50歳で、夫も子どももいる。にもかかわらず、これだけ熱心なファンがつくのはなぜなのだろうか。