「負けたら引退」の覚悟で臨むはずだった亀田和毅とドラミニの3.31名古屋での再戦が暗礁に…米専門メディアが報道
「負けたら引退」の覚悟で臨むはずだった元2階級制覇王者、亀田和毅(32、TMK)とIBF世界フェザー級2位、レラト・ドラミニ(30、南アフリカ)との再戦(31日・名古屋国際会議場)が暗礁に乗り上げた。米専門メディア「ボクシング・シーン」が報じたもので、IBFがドラミニに同級3位のアルノルド・ケガイ(31、ウクライナ)との試合をIBF王座を防衛したばかりのルイス・アルベルト・ロペス(30、メキシコ)への挑戦者決定戦として指令したもの。ドラミニは亀田との試合を成立する条件として勝者が1位となることを条項に付加していたためドラミニ側のプロモーターがケガイとの試合を優先する意向を亀田側に伝えたという。まだ主催者の「3150ファイト」からの正式発表はないが、試合まで残り18日に迫った状況で、とんだトラブルに巻き込まれる形になった。
つい2日前に公開練習を行ったばかりの亀田和毅をショッキングなニュースが襲った。IBFが阿部麗也(KG大和)を2日に8ラウンドTKOで下してV3に成功した王者ロペスへの挑戦者決定戦を2位のドラミニと3位のケガイに指令したのだ。 米専門サイト「ボクシング・シーン」によると、ドラミニ側は、31日に亀田と再戦する契約を結んだが、勝者が現在空位のランキング1位になることが条件として付加されていたという。IBFは2位のドラミニと5位の亀田との再戦を挑戦者決定戦としては認めず、ケガイ戦を指令してきたため、ドラミニのプロモーターであるコリン・ネイサン氏は、亀田側へケガイとの試合を優先することを伝えた。 ネイサン氏と、ケガイのプロモーターであるトップランク社のカール・モレッティ氏は、IBFの指令に従い、挑戦者決定戦を行うことに同意。入札することなく契約を成立させることを望んでいるという。ちなみにケガイは21勝(13KO)1敗1分けの戦績を持ち、キャリアの1敗は、スーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が倒したスティーブン・フルトン(米国)に2020年1月にWBOインターコンチネンタルスーパーバンタム級タイトルマッチで0-3判定負けしたもの。ロシアとの戦下にある本拠地のウクライナ、ドイツ、ドバイ、スペインなど世界中で試合をしている。 まだ3150ファイト側からの正式発表はないが、試合を18日後に控えた段階での唐突な試合キャンセルの申し入れには困惑しているだろう。 亀田は昨年10月7日に大田区総合体育館でIBFの2位決定戦としてドラミニと対戦して1―2の僅差判定負け。今回は「負ければ引退」の覚悟を持って再戦にこぎつけた。11日には大阪の所属ジムでコンビを復活させている父でトレーナーの史郎氏と共に練習を公開。 「前回と違ったスタイルをお見せする」と意気込みを語っていた。 ドラミニとの前戦では、手数が少なくどちらにつけてもおかしくないラウンドをことごとく失い、終盤に強引に攻め込んだが遅きに失した。ドラミニは確かにスピードと足はあったが、パンチ力も含めた怖さはなく、戦略さえ間違えずに「前回と違う」序盤から攻撃的なボクシングをすれば「亀田の負けはない」と考えられていた。 ドラミニに勝てば、阿部を米国で撃沈したロペスへの挑戦の可能性も開けていただけに、このタイミングで暗礁に乗り上げたことはショックだろう。 「ボクシング・シーン」が報じた亀田―ドラミニ戦を成立させる条件として付加されていたという「勝者がIBFの1位にランキングされること」という条項にどれだけの効力があるのか。ドラミニ側も亀田の実力を把握しているだけに、ここで負ければケガイとの挑戦者決定戦は飛んでしまうため、IBFの指令を優先させたいのだろうが、一度、契約が成立している試合を直前でキャンセルすることが許されるのかどうか。
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