Moto2アレナス、ヨシムラSERTのEWC王座獲得にテレビ観戦で興奮。鈴鹿8耐で「助けられたのはとても嬉しかった」
9月14~15日、2024FIM世界耐久選手権(EWC)の最終戦ボルドール24時間でヨシムラSERT Motulが逆転でチャンピオンを獲得した。第3戦鈴鹿8耐では左手に怪我を負ったグレッグ・ブラックの代役を務めたアルベルト・アレナスも3位表彰台に貢献したため、彼にボルドールの翌週であるMotoGP第14戦エミリア・ロマーニャGPのパドックでEWC王座獲得について聞いた。 【写真】3位に入ったヨシムラSERT Motulのダン・リンフット、渥美心、アルベルト・アレナス/2024EWC第3戦鈴鹿8耐 決勝 6月の鈴鹿8耐テストでブラックが左手に怪我を負った。エティエンヌ・マッソンはTeam SUZUKI CN Challengeでの参戦が決まっていたため、当初は渥美心とダン・リンフットの2名で鈴鹿8耐の本戦を戦う予定だった。 しかし、レースウイークに渥美かリンフットが出場できなくなると欠場を余儀なくされる懸念があり、チームはどうにかして代役ライダーを探した。それがMoto2を戦うアレナスだった。 とはいえ、鈴鹿8耐直前の7月17日の水曜日に行われたテストにアレナスの姿はない。ビザの関係で出国できず、日本に到着したのは翌日。19日金曜日のフリー走行でようやくヨシムラのGSX-R1000の説明を聞き、マシンを駆ったのだ。 そんな状態でも予選を通過。決勝では1スティントの走行機会しかなかったが、アベレージタイムはほぼチームメイトと同じタイムを刻み、3位表彰台に貢献する。決勝は「2名で戦うプランだった」と加藤陽平ディレクターが語っていたが、あまりの暑さでアレナスを走らす戦略に変更したこと、そして彼の快走があり、休憩を多くとれた渥美が最後に4位から3位に上がることができたことは言うまでもない。 ボルドール24時間を観ていたかアレナスに聞くと、「テレビで観たよ。24時間全部ではないけど、とてもエキサイティングだったし、チームと連絡を取っていたし、彼らがどのようにレースをリードしているかを楽しんだよ。観ていて楽しかったね」と答えた。 チャンピオン表彰式や会見では『Thank You Albert』と書かれた紙を加藤ディレクターと渥美が掲げていた。アレナスもそれを見ていたようで、自身のSNSで感謝の投稿をしていた。また、チャンピオンの一部を担ったと思うと彼に言うと以下のように語った。 「そうだね、でもほんのちょっとだけだよ。僕が何かを成し遂げたとは思わないでしょ? でももちろん、彼らを助けられたのはとても嬉しかったし、鈴鹿8耐でこのパフォーマンスを達成できたのは彼らにとって良いことだった」 「彼らはチャンピオンシップで1位、2位を争っていたので、僕はプレッシャーを感じていた。だから確かに少し責任を感じているし、彼らにはとても満足している。とてもふさわしい結果だし、チームもライダーもとても良い仕事をしてくれたね」 改めて鈴鹿8耐でのヨシムラチームの感想を聞くと「彼らはとても親しみやすいチームだけど、プロフェッショナルだ。鈴鹿を知っているし、彼らの一員になれる機会を与えてくれたことにとても感謝している。そして、彼らが今シーズンの最終結果に値する仕事をしてくれたことをとても嬉しく思うし、彼らがこの瞬間を楽しんでくれることを願っているよ」という。 もう一度鈴鹿8耐にも出たいようで、「いいね。あの経験は楽しかった。それに、予選ラップが懐かしいし、少しタイム遅かったから新しいタイヤでタイムアタックできなかったりすることもあった。だから、まだやらないといけないラップもあるよね」ともコメントした。 「今はMoto2のシーズン後半戦に完全に集中している。まだレースがたくさんあるから、これに集中したいけど、彼らが助けを必要としているなら、また行くかもしれないよ」 アレナスはMoto2で残り7戦を戦っており今はそれに集中しているが、来年の鈴鹿8耐もMotoGPライダーの出場が噂されているだけに、GPパドックから出場するであろう何名かのライダーにも注目したいところだ。 [オートスポーツweb 2024年09月20日]