12月21日にオープンした「Mt.乗鞍スノーリゾート」

特集は正念場のスキー場です。利用客の減少で休業の危機に瀕した長野県松本市の乗鞍高原のスキー場が地元の支えで営業継続が決まり、12月21日にオープンしました。関係者の思いを取材しました。 【画像】ピーク時15万人から4万人に…スキー場の今シーズン営業断念から一転、地元の熱意と3500万円の支援で営業へ　18歳以下リフト券無料の試みも

■休業の危機を乗り越え

スキー場運営協議会・山口謙代表

松本市安曇の「Mt.乗鞍スノーリゾート」。 12月21日の営業開始を前に準備が急ピッチで進んでいました。 スキー場運営協議会・山口謙代表： 「良かったなーって感じです、本当に。動き出せるってことでちょっとホッとしています」 安堵の声を漏らしたのはスキー場運営協議会の山口謙代表（51）。12月21日からの営業は休業の危機を乗り越えてのものでした。 スキー場運営協議会・山口謙代表： 「スキー場はかけがえのないもの。地元とがっつりタッグを組んでスキー場をやることになったので、乗鞍高原の地元の魅力がうまくにじみ出るような運営ができたら」

■一度、今季の営業を断念

にぎわうスキー場（1994年）

にぎわうスキー場。1994年の様子です。 スキー場は1961（昭和36）年にオープンし、ピーク時は15万人前後の利用者がいましたが、スキー人気の低迷や暖冬、さらにはコロナ禍もあって減少の一途。 昨シーズンは4万人弱となり運営していた都内の企業は今シーズンの営業を断念しました。 スキー場運営協議会・山口謙代表： 「どうしようって感じですね。自分の商売自体もガイド業ですし、スキー・スノーボードのレッスンやってますから、いろんな心配がありました（他のスキー場と）同じような情報ずっと（SNSに）アップしててもすぐ飽きられちゃう」

■住民やファンから3500万円の支援

スキー場運営協議会

そこで、山口さんたち地元の観光関係者などが「有志の会」を立ち上げます。合わせて募金活動も。すると住民やファンから3500万円の支援が寄せられました。 これを元に「有志の会」を中心にした「運営協議会」が経営主体となってスタッフを引き続き雇用し、何とか営業継続にこぎつけたのです。 スキー場運営協議会・山口謙代表： 「60何年の歴史の中で多くの人たちが乗鞍を愛してくださってることをひしひしと感じた」