職場にいる「仕事で評価される人」と「絶対に評価されない人」の決定的な違い
● 仕事で評価される人の特徴 対して、仕事で評価される人は、過度なアピールや小さなアピールをしません。あくまで結果や成果で評価されることを考えて動くのです。 かつて、売れっ子芸人の1人と話していたときのことです。その芸人は人の目につくところではあまり稽古をしないタイプで、側から見ればクールなタイプの芸人でした。ですが、実力はたしかで、数々の舞台で成果も出していました。 私はその芸人に「いつも陰でコソコソと稽古しているのはなんで? 頑張っている姿をもっと人に見てもらったら?」と聞いたことがあります。すると次のような答えがかえってきました。 「頑張っているかどうかは相対評価なので、僕よりも頑張っている人がいたらマイナスでしかないんです。だから僕は本番だけで勝負したほうがいいんじゃないかと思っています。しかも、いくら頑張ったって、本番で笑いが取れなかったら仕事していないのと同じですからね」 ストイックだなと思うと同時に、本質でもあると私は感じました。たしかに評価する側から見たら、自分の頑張りも物足りない可能性は大いにあります。それだったらやるべきことに集中するというのは、決して間違っていないのではないでしょうか。 実際に私もどの芸人にテレビや舞台に出てもらうかを決める会議に参加していますが、「稽古を頑張っているから」という理由だけで推薦をしたことは一度もありません。ちゃんと実力を見ながら決めています。 お笑いの話が長くなってしまいましたが、これは皆さんのいるビジネスの世界でも同じなのではないでしょうか。アピールは大事であるものの、それだけで通用している人はほとんどいないと思います。もし仮にそういう人がいたとしても、大抵の場合、まわりの人に迷惑をかけてしまっているのではないでしょうか。 こんなことをしていては、いつまでたっても仕事での成長もなければ、成功もありません。アピールはあくまで補助的なものであり、仕事の本質ではないのです。当たり前と言えば当たり前のことですが、人は意外とこのことを忘れてしまいます。 その理由は明確で、たくさんアピールしたほうが評価に近づく気がして気持ちが楽だからです。ですがそれはハリボテの安堵感であり、本物ではありません。やはり本当に評価されたいのであれば、愚直に成果に向かうのがいいでしょう。 また、不思議なことに、アピールせずにストイックにやっている人ほど、誰かが必ず評価してくれるものです。 シンプルなことですが、ぜひ頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。
本多正識