マイナ保険証のメリットと今後の課題 不安や反対の声も 県内の利用率は全国平均を下回る現状【長野】
あと1週間で現行の健康保険証の新規発行が終了し、「マイナ保険証」への移行が本格的に進みます。一方で、不安や反対の声も。長野駅前では、現行の保険証存続を求める署名活動が行われました。 病気やけがなどで医療機関を受診する時に欠かせない、健康保険証。来月2日以降新たに発行されなくなり、「マイナンバーカード」を保険証として使う「マイナ保険証」に一本化されます。医療機関では、専用のカードリーダーを使って受け付けします。 すでに導入が進む長野市のクリニックでは…。 ■太田糖尿病内科クリニック 「私たちが今まで保険証を預かって見て、返してという作業がなくなっている分とても楽ですし、おくすり手帳を忘れてしまったという新患者さんでも中で見ることができるのでそれはすごく助かっています」 「マイナ保険証」で受け付けをすると、初めてかかる病院でも本人の同意があれば過去の治療歴や処方された薬のデータを確認することができ、スムーズな診療や的確な治療につながるといいます。 一方、マイナンバーカードに関しては、過去に別の人の個人情報がひも付けられるケースも。情報が管理されることに不安の声が上がっています。 ■70代・長野市から 「信用していないから。セキュリティの問題。強引にやるんだろうけど、相当トラブル起きるような気がする」 マイナ保険証の利用には、登録が必要です。厚生労働省によると、登録率は8割を超えるものの、利用率は15.67%。県内は14.3%で全国平均を下回っているのが現状です。 長野駅前では… ■中野希友未アナリポート 「こちらでは、現行の保険証の存続を求める声が挙げられています」 社会保障制度の改善を目指し、活動する県社会保障推進協議会が、現行の保険証の存続を求める呼びかけを行いました。「マイナ保険証」におけるシステムの不具合で医療機関の窓口が混乱したり任意とされているマイナンバーカードの取得が強制されかねないことなどを懸念しています。 ■県社会保障推進協議会 藤本ようこ事務局長 「マイナ保険証は、申請しなければ、マイナンバーカードも申請しなければもらえないものなので、それが一番問題だと思っていて、必ず医療にかかる権利を阻害される人が色んな形で出てきてしまう、それが一番不安」 現行の保険証が使えるのは、来年12月1日まで。マイナンバーカードを持っていない人やマイナ保険証に登録していない人には順次「資格証明書」が発行され、最長5年間使えるということです。