井岡世界戦中止余波 堤駿斗の試合がメーンに格上げ Sフェザー級で8か月ぶり復帰戦「ここが適正階級」元世界王者と挑戦者決定戦
◆プロボクシング▽WBA世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)挑戦者決定戦10回戦 堤駿斗―レネ・アルバラード(31日、大田区総合体育館) 挑戦者決定戦の前日計量が30日、都内で行われ、8か月ぶりの試合となるアマ13冠のWBA世界スーパーフェザー級9位・堤駿斗(25)=志成=は58・8キロ、元WBA世界同級王者で現14位のレネ・アルバラード(35)=ニカラグア=は58・3キロでともに1回でパスした。 堤は楽々計量をクリアした。その表情は、過去の計量時よりも明らかに余裕のあるものだった。「今回、スーパーフェザー級に上げて初めの試合。ここまで体調を崩すことなく調整できた。この1・8キロの差は大きい。相手のパワーも上がるが、ここが適正階級なのかなと思っている」と、万全の仕上がりを強調した。 今年4月のプロ5戦目。元WBA世界バンタム級王者アンセル・モレノ(パナマ)戦の前日計量でまさかの1・6キロオーバー。再計量もクリアできず、試合には3回KO勝ちしたが、日本ボクシングコミッションからは6か月のライセンス資格停止処分という罰則を科せられた。減量苦を解消するためにフェザー級(57・1キロ以下)からスーパーフェザー級へ転向。今回8か月ぶりの復帰戦が、WBA王座への挑戦者決定戦となる幸運にも恵まれた。 本来はセミファイナルだったが、王者フェルナンド・マルチネス―挑戦者・井岡一翔のWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチが、マルティネスのインフルエンザ罹患(りかん)により中止。急きょメーンイベントに格上げされた。尊敬するジムの先輩・井岡の帽子をかぶって会見に出席した堤は「(井岡)一翔さんが一番悔しいと思う。『自分のことに集中して』と言っていただいた。自分が背負うなんて状況ではないが、ひとつの興行をいい形で締めくくれるように、今できることに集中したい」と、先輩の思いも拳に乗せリングに上がる。 戦績は堤が5戦全勝(2KO)、アルバラードは34勝(22KO)14敗。
報知新聞社