公明と国民、第三者機関法案を共同提出へ 政治資金の監査強化
国民民主、公明両党は9日、政治資金を監査する第三者機関の設置を盛り込んだ法案を10日にも共同提出する方針を明らかにした。公明は当初、単独提出を検討していたが、衆院選での大敗により衆院での法案提出に必要な21人に、閣僚ら政務三役を除くと人数が足りないことが判明。代替案として考え方が近い国民民主との連携を選んだ。 国民民主の古川元久代表代行は9日、国会内で記者団に、「公明から我が党の考え方で結構だという話があったので、我が党の案をベースに共同提出したい」と述べた。 第三者機関を巡っては、自民党が使途公開に特に配慮が必要な支出の監査などに役割を限定した案を提示。公明は国会議員関係政治団体の政治資金をチェックする案を示していた。公明の西田実仁幹事長は、記者団に、国民民主も監査対象を国会議員関係政治団体としている点に触れ、「我々と共通している」と強調。公明が行政府、国民民主が国会への設置を掲げている点については「国民民主案でも我々が求めている、不記載等があった場合の調査や是正などができる」と述べ、理解を示した。今後の自民との協議に関しては「最終的に公明、国民民主の共同提案に何とか乗ってもらえるようにこれから話し合いたい」と語った。 自民は同日、第三者機関として「政治資金委員会」を設置する法案や、使途公開が不要な「政策活動費」の廃止を盛り込んだ政治資金規正法再改正案などを衆院に提出。法案では、政治資金収支報告書で支出先など一部を非公表にできる支出について、これまで使ってきた「要配慮支出」の名称を「公開方法工夫支出」と変更した。 立憲民主党は、国会議員の政治資金の親族への継承を制限する「政治資金世襲禁止法案」を日本維新の会、有志の会、参政党、日本保守党、社民党との6党派で、「企業・団体献金禁止法案」を有志、参政、社民との4党派でそれぞれ共同提出した。10日には収支報告書に不記載があった場合の罰則強化などを含む政治資金透明化法案を単独提出する。 与野党は9日の衆院政治改革特別委員会の理事懇談会で、10日に委員会を開き各党の意見陳述を実施する日程で合意。11日に各党法案の趣旨説明を行い、12日から実質審議を始める。【野間口陽、安部志帆子、森口沙織】