“ワインの王”バローロをより身近に。楽しい時間のための一本「ボルゴーニョ バローロ」
イタリアの高級ワインの代名詞ともいえるのが「バローロ」。長期熟成させてこそ真価を発揮すると言われるが、近年は若くても楽しめて、かつ熟成の可能性が大きなワインも増えている。老舗ワイナリー「ボルゴーニョ」のバローロもそのひとつ。ボトルに隠された歴史と美味しさの秘密をご紹介 “ワインの王”バローロのぶどう畑
イタリアを代表するワインのひとつが、イタリア北西部ピエモンテ州で造られる「バローロ」だ。華やかなアロマとみずみずしい果実味、シルキーなタンニンが高貴さを感じさせ、長期熟成がもたらす優美さと、芳醇で力強い味わいから「イタリアワインの王」と呼ばれている。 バローロはクーネオ県ランゲ地方のバローロ村やラ・モッラ村を中心にした11地区で産出されるが、バローロと名乗るには厳しい規定をクリアしなくてはならない。使用するブドウ品種はネッビオーロのみ、熟成は3年(うち、木樽熟成2年)、リゼルヴァで5年以上熟成させなくてはならない。特別なワインとしてお祝いの席で開けられることも多いという理由から、“高級ワイン”というイメージが強いが、それだけではなく、さまざまな料理に寄り添い、人が集まった時のテーブルを楽しくしてくれるワインでもあるのだ。
「ボルゴーニョ バローロ 2019」 イタリア、ピエモンテ州。ネッビオーロ100%。チェリーやフランボワーズなど赤い果実と黒コショウ、ハーブの香り。豊かな果実味と美しい酸。2019年は遅い春の訪れに4月の降雨、夏は猛暑で7月には熱波に見舞われたが、十分な保水でブドウは健全に育った。9月には雹が降ったので、品質を重んじ収穫量を減らしたという。「大変な年でしたがブドウの糖度はしっかり上がりました。グラスの中に、夏の名残りのニュアンスが感じられると思います」とファリネッティ氏。750ml ¥13,200 数あるバローロの中でも覚えておきたいブランドのひとつが「ボルゴーニョ」だ。1761年、バルトロメオ・ボルゴーニョ氏により創設された老舗ワイナリーで、1861年のイタリア統一の祝賀会では、初代国王のヴィットリオ・エマヌエーレ2世やイタリア統一の立役者となったジュゼッペ・ガリバルディなどが「ボルゴーニョ」のバローロで祝杯をあげたという記録が残されている。ワイナリーの規模は大きくはないが、その品質の良さに高い信頼が寄せられている。ワイナリーは、長らくボルゴーニョ家によって運営されてきたが、2008年にはファリネッティ家が新たなオーナーとなり、以後、アンドレア・ファリネッティ氏がオーナー兼醸造責任者として「ボルゴーニョ」の伝統を大切にしつつ、新たなプロジェクトにも挑戦している。その一例がオーガニック栽培への完全転換だ。「ボルゴーニョ」では以前から自然に即した栽培が行われてきたが、ファリネッティ氏はさらにそれを強化し、2015年にオーガニック認証の「エコセール」を取得した。現在は自生酵母のみを使用し、自然発酵を行っている。