人気の「PBR1倍割れ銘柄」に安易に飛びつくと危険な理由
「訳あり」のお買い得品には安いなりの理由があります。同じことは株式投資でもいえそうです(イメージ写真:H.Kuwagaki/PIXTA)
長い間、PBR(株価純資産倍率)1倍割れ銘柄は割安であることが認識されつつも、割安のまま放置されていました。しかし、2023年3月末に東京証券取引所のホームページで「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」が発表されたことにより、PBR1倍割れ銘柄への注目度が高まりました。 そこには、プライム市場、スタンダード市場上場のすべての企業に対し、資本コストや株価を意識した経営の実現へ向けて、(1)現状分析、(2)計画策定・開示、(3)取り組みの実行を行うことが求められています。とくに「PBR1倍割れ」という言葉が何度も出てきていることから、PBR1倍割れ企業に対しての改善を強く求めていることが読み取れます。 これに対して、マーケットではPBR1倍割れ銘柄がPBR1倍突破を期待する向きが先走りする動きも見られたり、PBR1倍割れ銘柄を投資対象とする、その名もずばりPBR1倍割れ解消推進ETF(2080)が上場するなど、今でもPBR1倍割れ銘柄への投資家の期待度は高いように思います。 ただ、筆者としては、PBR1倍割れ銘柄に食指が動かないのが現状です。実際に投資候補銘柄を見つける際も、PBRの高低は気にしていません。
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足立 武志