Ｇ２０財務相・中央銀行総裁会議、米ワシントンで開幕…世界経済の軟着陸に向けた議論交わす
【ワシントン＝秋山洋成、田中宏幸】主要２０か国・地域（Ｇ２０）財務相・中央銀行総裁会議が２３日、米ワシントンで２日間の日程で開幕した。米欧などの中央銀行が利下げに転換する中、世界経済の軟着陸に向けた議論を交わす。気候変動や新たな感染症など、途上国が抱える課題に対策を打ち出せるかも焦点となる。
日本からは就任後初の国際会議となる加藤財務相と日本銀行の植田和男総裁が出席。初日は途上国支援に向け、世界銀行など国際開発金融機関の融資強化策について話し合った。
近年、豪雨や干ばつなどの異常気象で途上国は甚大な被害を受けている。道路などのインフラ整備や食料支援のほか、脱炭素化の推進に向けても必要な資金は増えている。一方、気候変動対策では資金拠出を巡り先進国と新興国・途上国の対立は根深い。
議長国ブラジルは国家間の「格差是正」を最優先テーマと位置づけており、国際開発金融機関の能力強化策を文書でまとめる予定だ。
２４日には世界経済の情勢や各国の政策対応などが討議される見通し。２５日にはＧ７財務相・中銀総裁会議も開かれ、ロシアの凍結資産をウクライナ支援に充てることを確認する方向だ。
