11月はSIDS対策強化月間。「うつぶせ寝」はどれくらい危険? 乳幼児突然死症候群のためにできること【小児科医】
市販のベビーモニター・ベビーセンスに「SIDSを予防できる」というエビデンスはない?!
どれだけ対策しても、とにかくSIDSが不安。それなら、機械の力に頼ろう!ということで、ネット通販などでベビーモニター、ベビーセンスなどを検索したことがある方もいるかもしれません。これらは赤ちゃんの無呼吸を感知すると、アラームで知らせてくれるということをうたい、販売やレンタルされています。 ただし結論からいえば、こうした機械に、SIDSを予防できるという医学的なエビデンスが示されたものはありません。実際に、アメリカ小児科学会も、こうしたセンサーはむしろ使わないように、と提言しています。 そもそもSIDSとは「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査および解剖検査によってもその原因が同定されない」突然死のことです。つまり、亡くなる前後で明らかな原因が見当たらないのに、亡くなってしまったというケースを指します。かみくだいて言えば、仮にベビーモニターで無呼吸を検知したところで、その後どんな処置や対応をとっても、助からないケース、それがSIDSといってもいいでしょう。 むしろこうしたセンサーやモニターをつけているかと油断して、前述したようなSIDSの基本的な対策を怠ることの方が問題なのです。 文・監修/白井沙良子先生 構成/たまひよONLINE編集部 赤ちゃんが寝ているときに、もしものことがあったら…と不安はつきません。「正しく知り、正しく対策することで、少しでも保護者の方が安心して休息を取れる一助になれば」と白井先生は話します。 【参考文献】 UptoDate, Sudden infant death syndrome: risk factors and risk reduction strategies 監修者 白井沙良子先生 PROFILE:慶應義塾大学医学部卒業後、総合病院に勤務。現在は小児科オンラインにて医療相談に携わりながら、小児科医として勤務中。まんが『はたらく細胞BABY』医療監修。5才と3才の男の子のママ。
たまひよ ONLINE編集部
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