ベテラン・市原弘大は予選落ち シード圏“ギリギリ”も「そういう時は絶対来る」
<三井住友VISA太平洋マスターズ 2日目◇8日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70> 超貴重! 石川遼とシブコの2ショット【写真】 霊峰富士の麓で行われているビッグトーナメントの2日目。賞金ランキング上位65人に付与されるシード権争いも佳境に入りつつある。現在、同ランキング65位とボーダーライン上に位置する42歳・市原弘大は惜しくも予選落ちに終わった。 10番からスタートしたが、いきなりダブルボギーを叩き、これが「響きました」と振り返る。以降は16番、18番でバーディはあったものの、それ以上にボギーを叩き「74」のラウンド。「(御殿場コースは)何度も回っているからこそ(打ったら)ダメなところが見えていて。自分で難しくしてしまっている」。このコースの怖さを知り尽くしているがゆえに、自らにプレッシャーをかけすぎてしまった。 市原は、「ACNチャンピオンシップ」から約1カ月以上のブランクを経て今大会に臨んだ。以前であれば、この間に高速グリーンが特徴の「マイナビABCチャンピオンシップ」が行われていたが、今年は開催中止。そのため「速いグリーンに慣れていなかった」とパッティングも対応しきれなかった。 今季は「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」で14位に入ると、以降は5試合連続で決勝進出。スイングの「トップをコンパクト」にすることで体の負担を軽減し、調子を維持していた。しかし、「フジサンケイクラシック」以降は「原因は分からないですが、狂い始めちゃった」と、苦しい時期が続いている。 さらに、若手有望株が続々と台頭するなか「セッティングもなかなか厳しいですね。ラフでもいいから前に行った方がいいというセッティングが増えたので。持つクラブも違い過ぎて…。なんとか頑張らないと」。パワーゲームの波が押し寄せる現状も、悩みの一つ。ベテランならではの技術で若手に対抗したいところ。 2018年に賞金ランキング4位に入りシード返り咲きを果たすと、それ以降も60位、55位、52位、43位とシードを守り続けてきた。昨年も苦戦しながら、御殿場での3位入賞でシード確保を手繰り寄せただけに、今大会の結果は悔しいはず。それでも、「今までも(シード争いは)あるし、なんだかんだ20年以上やっている。そういう時は絶対来るのでしょうがないですよね。その中でやっていくしかない」とベテランは落ち着き払う。 次戦は来週の「ダンロップフェニックス」となる。「再来週のカシオ(ワールドオープン)はどうしても飛ばし合いの場面が多い。自分はそんなに飛ぶ方じゃないので…。とりあえず来週頑張って」。気負わずシード確保を目指していく。(文・齊藤啓介)