大人になった二宮金次郎の像があった! 掛川市に金次郎像が多い理由
静岡・掛川市には二宮金次郎像が点在しています。それは二宮金次郎の教えを伝え続けてきた拠点「大日本報徳社」があるから。ここに大人になった二宮尊徳の像があるんです。いったいどんな人だったのでしょうか。 【画像】掛川市内のあちこちにある二宮金次郎像など(全25枚)
いつもの見慣れた街並みも、裏を巡ればそこはまるで別世界。静岡県民必見の裏スポットを巡ります。今回は県西部屈指の城下町、掛川駅北口周辺を散歩しました。
立派な門と建物の「大日本報徳社」
掛川市内には掛川駅前や市立図書館前など、二宮金次郎像があちらこちらに点在しています。 街歩きをしていたら、和菓子店の軒先でも小さな金次郎像を見つけました。なぜ掛川市民はそんなに二宮金次郎が好きなのか?! そのヒントを解く鍵が掛川城の裏手にある、ひときわ目を引く立派な建物にありました。門には「経済門」「道徳門」の文字が彫られています。この昔の学校のような建物の正体は「大日本報徳社(だいにっぽん ほうとくしゃ)」。明治から現在まで二宮金次郎の教えを全国へ発信している拠点です。 掛川市内に二宮金次郎像が点在しているのは、この大日本報徳社があるからなんです。
困窮する村を救った報徳仕法の教え
二宮金次郎とは一体どんな人物だったのでしょうか。まきを背負って歩いている姿のイメージが強いのですが、それだけではありません。 大日本報徳社 専務理事・石野茂子さん: 江戸時代末期に、全国各地の困窮した農村600近くを報徳仕法で建て直しました ~報徳仕法とは~ 「至誠」=物事に誠実に取り組み 「勤労」=何事にも一生懸命励み勤め 「分度」=その中で自分の力量をわきまえ 「推譲」=余った利益は社会や次の世代の役に立てる これは後の渋沢栄一や松下幸之助など、経済界の偉人にも影響を与えたと言われています。
農家から武士に大出世
現在の神奈川県小田原市の農家に生まれ、生涯を村の復興へささげた金次郎は異例の出世を遂げます。 多くの村を救った実績が認められた金次郎は、56歳のとき江戸家老より普請役(ふしんやく)を与えられます。これはなんと、農民から武士になったことを意味します。 大日本報徳社の敷地内には、武士になってからの「二宮先生像」があります。刀を差し、手には大きな鍬(くわ)を持っています。二宮尊徳は村民にただ働かせるだけでなく、真面目に働いた人を表彰し、モチベーション向上のため当時貴重だった鍬を与えました。 大日本報徳社 専務理事・石野茂子さん: ただ働け働けではなく、一生懸命人を表彰しました。映画にもなりました この鍬も普通のものより2倍長さがある改良版。長い鍬を持つ二宮先生像は、遠目から見ると刀を構えているようでした。 また、銅像ではわかりづらい身長ですが、江戸時代にしては珍しく180cmもあったといわれています。
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