「私の史実はこれでいいです…」枕草子、誕生の経緯 大河ドラマ「光る君へ」 声に出して読むべき理由
後生に伝わった理由 カギは彰子さま?
水野:リスナーさんから「枕草子が今まで残っているのは、道長の力なのでしょうか。自分が追い落とした人に仕えていた清少納言の文章を残したのはなぜなのでしょう」という質問もありました。 たらればさん:いい質問ですね。個人的には、敗者の文学作品であった枕草子がなぜ後世に残ったかは、「彰子さま」がカギを握っていると思っています。 水野:紫式部も仕えることになる、道長と倫子さまの間の長女ですね。 たらればさん:はい。定子さまの後に入内して一条帝の皇后になる人です。歴史物語「大鏡」には「天下第一の母」と記された、いわゆるグランドマザー。 当時、基本的に書いたものの原本は子どもたちが管理していたと言われています。清少納言にも紫式部にも娘がいて、二人とも彰子さまに仕えるんですよ。そして「読みたい」という希望があれば原本を貸し出していました。 おそらくそれを許していたのは彰子さまだろうと言われています。 彰子さまがなぜ「政治的に敵対していた」とされる定子さまが主役の枕草子を残すことを許し、清少納言の娘を女房として雇っていたか、史実に記録はありません。 なぜなんでしょうねえ。気になりますねえ。うふふ。けれど、確実にバトンをつないだひとりです。 水野:いろいろ想像しちゃいます。 たらればさん:この彰子さまと枕草子の関係が、大河ドラマでどう描かれるかは、今後の楽しみのひとつです。ぜひ描いてほしいですね。 ◆これまでのたらればさんの「光る君へ」スペース採録記事は、こちら(https://withnews.jp/articles/keyword/10926)から。次回のたらればさんとのスペースは、7月7日21時~に開催します。