【大学トレンド】「家政学部」が消えて「フードビジネス学科」へ ラテアートから料理撮影まで
食を学ぶといえば、栄養学や食物学、農学が中心でしたが、最近はビジネスの観点から食を学べる「フードビジネス学科」「食マネジメント学部」といった学部・学科、コースが増えています。伝統的な家政学部が、ビジネスに役立つ「食」を学ぶ学科に生まれ変わり、世界で人気の和食文化を広めることにもつながっています。こうした学部・学科に進んだ学生は、どのように学び、どんな力をつけているのでしょうか。 【写真】料理やテーブルセッティングの撮影を学ぶためのスタジオ
大学での食に関する研究や教育というと、栄養学や食物学があり、家政学部の一つとして女子大などに設置されているのが一般的でした。また、農学部でも食を学びますが、主に生産者の視点で食料生産などの農学を学びます。 こうした伝統的な学部・学科に対して、近年急増しているのが食をビジネスの視点から学ぶ学部・学科・コースです。特に話題となったのが、立命館大学が2018年に食マネジメント学部を設置したことです。これは、食についての文化的・歴史的背景、自然科学的な知識など食が持つ多様な側面を、経済学や経営学を基盤に、総合的に学ぶ日本初の学部です。重視していることの一つがグローバルな人材の育成で、海外の教育機関と連携し、世界の多様な食文化を学ぶほか、語学教育や海外実習プログラムにも力を入れています。 九州産業大学は23年に文理芸融合の「グローバル・フードビジネス・プログラム(GFBP)」を設置しました。所属学部の知識を基礎としながら、フードビジネスに関する知見を深め、世界を視野にフードビジネスをリードする人材を育てることを目的としています。「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことなどを背景に、フードビジネス分野のグローバルな人材育成は必要性が高まっています。食の文化や、海外と日本を結ぶグローバルなフードビジネスなどについて学び、食への理解を深めていきます。 23年には、甲子園大学でも食創造学科を設置しました。「食べる」を仕事にするという目的を掲げ、食品ビジネスや研究開発、食料生産から店舗経営など食に関する多様な領域から学びたいことを選択します。企業との連携授業や地域活動の場を体験するなど、実践的に学びます。